陸上自衛隊幹部学校

陸上自衛隊幹部学校について

陸上自衛隊幹部学校は、防衛省目黒地区に所在していた、陸上自衛隊の幹部を育成するための教育機関です。2018年3月26日に陸上自衛隊教育訓練研究本部の新編に伴い廃止されました。

概要

幹部学校は、陸上自衛隊の高級部隊指揮官や幕僚としての職務に必要な知識と技能を修得させることを目的としていました。陸軍大学校に相当する、陸上自衛隊における最高教育機関であり、特に指揮幕僚課程（CGS）、技術高級課程（TAC）、幹部高級課程（AGS）への入校は非常に狭き門でした。

自衛官の階層意識については様々な意見がありますが、指揮幕僚課程修了者以上の幹部自衛官は、文官におけるキャリアと同等の待遇を受けるとされています。しかし、内局の課長職相当のポジションに就く時期は、国家公務員I種試験合格者と比較すると、約6年遅れるという現状もありました。

沿革

1951年（昭和26年）7月5日：警察予備隊総隊学校（久里浜駐屯地）第2部で特別幹部教育が開始されました。
1952年（昭和27年）10月15日：警察予備隊総隊学校第2部が、保安隊幹部学校として久里浜に新編されました。
1954年（昭和29年）3月22日：幹部学校が小平駐屯地へ移転しました。
1955年（昭和30年）
9月13日：指揮幕僚課程（CGS）が開始されました。
9月27日：統合幕僚課程が開始されました。
1957年（昭和32年）9月4日：統合幕僚課程が幹部高級課程（AGS）と改称されました。
1959年（昭和34年）12月26日：市ヶ谷駐屯地に移転しました。
1972年（昭和47年）8月11日：技術高級課程（TAC）が開始されました。
1994年（平成6年）10月1日：防衛庁移転計画に基づき、現在地に移転しました。
2001年（平成13年）3月27日：研究部（陸上自衛隊研究本部の前身）が研究課に縮小されました。
2010年（平成22年）3月：師団等最先任上級曹長課程が開始されました。
2011年（平成23年）3月：指揮幕僚課程55期の2年生全81名と職員10名が、東北地方太平洋沖地震に災害派遣されました。
2018年（平成30年）3月26日：陸上自衛隊幹部学校は廃止されました。

設置されていた課程

指揮幕僚課程（CGS）
技術高級課程（TAC）
幹部高級課程（AGS）
師団等最先任上級曹長集合教育（CSMC）

廃止時の組織編成

企画室
総務部
総務課
管理課
会計課
教育部
研究課
主任教官（10人）
学校教官

教育訓練研究本部への改編

陸上自衛隊研究本部及び陸上自衛隊幹部学校は、平成29年度末をもって廃止され、防衛省目黒地区において陸上自衛隊教育訓練研究本部として再編成されました。教育訓練研究本部では、研究本部と幹部学校の任務に加え、陸上自衛隊の各職種学校の運営を統制する任務が付加されました。この統制は業務系統上のものであり、指揮系統上のものではありません。

関連項目

陸軍大学校
陸上自衛隊教育訓練研究本部
陸上自衛隊幹部候補生学校

脚注

* 陸上幹部学校四十年史

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