葛尾村

葛尾村について

概要

葛尾村（かつらおむら）は福島県浜通りに位置し、双葉郡に属する村です。この村は、阿武隈高地の中にあり、中心地の標高は約450メートル、最も高い集落では約700メートルと、全体的に高地にあります。自然豊かな環境には、日山や竜子山、中ノ森山などの山々や、高瀬川、葛尾川などの河川があります。

歴史

1889年に町村制が施行され、上野川村、野川村、落合村、葛尾村の4つの村が統合されて標葉郡葛尾村が発足しました。その後、1896年に双葉郡が設立され、葛尾村はこの新しい郡の一部とされました。1923年には津島村との組合村を解消し、独立した村としての道を歩み始めました。

福島第一原子力発電所事故の影響

2011年3月11日に発生した福島第一原子力発電所事故の影響で、村全体が警戒区域や計画的避難区域に指定されることとなりました。全ての村民は一時的に避難を余儀なくされました。2016年には避難指示の一部が解除されましたが、帰還困難区域は引き続き制限がかかったままとなっています。2022年6月には特定復興再生拠点区域に対しても避難指示が解除されました。

村の復興とエネルギーの再生

葛尾村は、再生可能エネルギーを活用したスマートコミュニティの構築を目指しています。太陽光発電や蓄電池、スマートメーター、電気自動車（EV）を組み合わせた取り組みは、地域の再生に向けた大きな一歩となっています。村は新たな時代に対応するため、持続可能な開発に注力しています。

教育とインフラ

村には葛尾中学校、葛尾小学校、そして葛尾幼稚園があります。教育の基盤がしっかりしていることは、地域育成の重要な要素です。警察や消防も整備されており、双葉警察署の葛尾駐在所や消防本部が地域の安全を担っています。また、村には無集配の葛尾郵便局があり、2016年に再開されました。バス路線は2017年に復旧し、村内の交通アクセスが改善されています。

住環境

情報通信環境も整備されており、各家庭にはブロードバンドインターネットが導入され、テレビ電話による医師の往診などが行われています。村全体が情報インフラの整備を進め、過疎地域でも市街地に劣らない通信環境が整っています。ただし、過疎化が進行しており、高齢者率が31%を超えるという現状も抱えています。多くの村民が避難を余儀なくされ、その後の帰還についても3割が戻らないと回答しています。

地域の特色と未来

葛尾村では、交通死亡事故ゼロ日数が13,261日を達成するなど安全な地域作りにも取り組んでいます。また、「しみちゃん」と称される村のマスコットキャラクターは、郷土料理の凍み餅をモチーフにしたもので、地域活性化の一環として地域の魅力を発信しています。今後の村の発展に期待が寄せられています。

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