葛西清美

葛西清美：みちのく銀行を近代化させた銀行家

葛西清美（かさい きよみ）は、大正から平成にかけて活躍した日本の銀行家、実業家です。彼は、みちのく銀行の頭取、青森朝日放送の初代社長を務め、地域経済の発展に大きく貢献しました。

生涯と業績

1914年（大正3年）に青森県で生まれた葛西清美は、青森県立弘前中学校（現・青森県立弘前高等学校）、東北帝國大学法学部法律学科を卒業後、東北興業に入社しました。その後、体調を崩したこともあり、前妻の祖父である唐牛敏世の勧めにより弘前無尽（弘前相互銀行の前身）に入社。入社後すぐに支配人兼営業部長を任され、戸惑ったと伝えられています。

役員に昇格してからは、主に内部改革を担当し、業界に先駆けてコンピューターを導入するなど、弘前相銀をバイタリティあふれる相互銀行へと成長させました。1976年（昭和51年）には、唐牛敏世の悲願であった合併により「みちのく銀行」が誕生。葛西清美は専務に就任し、唐牛敏世の死去後、頭取に昇格しました。

頭取時代には、営業基盤の構築、県内外への店舗網の整備拡充、本店ビルの竣工など、経営の近代化を推進。また、青森朝日放送初代社長、青森県公安委員会委員長、弘前大学学術振興会会長など、数多くの要職を歴任しました。

1995年（平成7年）2月20日、入院先の弘前大学医学部附属病院で肝不全により逝去。80歳でした。

略歴

1932年（昭和7年） - 青森県立弘前中学校（現・青森県立弘前高等学校）卒業
1937年（昭和12年） - 東北帝國大学法学部法律学科卒業後、東北興業に入社。岩木製作所支配人などを歴任
1950年（昭和25年） - 弘前無尽入社。支配人兼営業部長
1955年（昭和30年） - 弘前相互銀行常務取締役
1963年（昭和38年） - 専務取締役
1976年（昭和51年） - 合併。みちのく銀行専務取締役
1979年（昭和54年） - 頭取
1986年（昭和61年） - 会長
1988年（昭和63年） - 取締役相談役
1995年（平成7年） - 逝去


葛西清美は、その卓越した経営手腕と先見性によって、みちのく銀行の発展に大きく貢献した人物として、その名が記憶されています。また、地域社会への貢献も大きく、多岐にわたる役職を通じて青森県の発展に尽力しました。

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