葬祭ディレクター

葬祭ディレクター

葬祭ディレクター（そうさいディレクター）は、日本の葬祭業界で働く人々が持つべき専門知識と技能のレベルを示す称号です。これは国家資格ではなく、葬祭業界を代表する団体の一つである葬祭ディレクター技能審査協会が実施する「葬祭ディレクター技能審査」に合格することで認定される民間資格です。この技能審査は、厚生労働大臣によってその内容と実施体制が適切であると認定されています。

この称号は、葬儀のプロフェッショナルとしての信頼性を示すものですが、葬祭業に従事するために必ず取得が義務付けられている業務独占資格ではありません。

等級区分と取得者数

葬祭ディレクターの資格には、1級と2級の区分があります。1級はより高度な知識と技能を、2級は基本的な知識と技能を証明します。2024年現在、1級および2級の葬祭ディレクター資格を持つ人の合計は、約4万人となっています。

技能審査について

技能審査には、受験資格が定められています。

1級：葬祭実務経験が5年以上ある者、または2級合格後に2年以上の実務経験を積んだ者が受験できます。
2級：葬祭実務経験が2年以上ある者が受験できます。

なお、審査協会が認定する専門学校の特定のコースを修了した場合、その修了期間が2級の受験に必要な実務経験期間として認められる場合があります。

求められる技能の範囲は等級によって異なります。

1級：あらゆる種類の葬儀において、ご遺族からの相談受付から式典の準備、会場設営、当日の運営、終了後の対応に至るまで、非常に詳細かつ幅広い専門知識と実践的な技能が求められます。
2級：主に個人葬を対象に、ご遺族からの相談受付から式典の準備、会場設営、当日の運営に至るまでの、一般的な知識と技能が求められます。

試験内容は、学科試験と実技試験で構成されています。

学科試験（CBT）：葬儀に関する幅広い知識が問われます。2024年度からは、コンピューターを使ったCBT形式で実施されています。
実技試験：
幕張：祭壇などを飾る際の幕張装飾技能の熟練度が評価されます。
接遇：ご遺族や弔問客に対して、適切かつきめ細やかな応対ができる能力が問われます。
* 司会：葬儀の式典を円滑に進行するための基礎的な能力が評価されます。

学科試験は実技試験が行われる月の前月にCBT方式で受験します。実技試験は年に一度、例年11月の友引にあたる日に、全国の複数会場（2024年現在8ヶ所）で実施されます。

認定校

葬祭ディレクターの育成を目的として、葬祭ディレクター技能審査協会が特定のカリキュラムを認定した専門学校が存在します。これらの認定校では、資格取得を目指すための専門的な教育が行われています。

関連情報として、故・碑文谷創氏が学科試験の教科書として用いられる「葬儀概論」を執筆されています。

葬祭ディレクターの資格は、葬祭サービスを提供するプロフェッショナルの証として、信頼性の向上に寄与しています。

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