葵タワー

静岡のランドマーク、葵タワー：商業施設と美術館が融合した複合施設

静岡市葵区紺屋町に位置する葵タワーは、JR静岡駅北口に近く、市内で最も高い超高層ビルです。2006年に始まった紺屋町再開発事業の一環として建設され、2010年4月に複合棟が、5月に静岡市美術館が開館しました。地上25階地下2階建て、高さ125mの複合棟には、オフィス、書店、飲食店、結婚式場、そして美術館など多様な施設が入居し、賑わいを見せています。隣接する地上10階建ての駐車場棟と連結しており、利便性も高い点が特徴です。

多彩なテナントと静岡市美術館

開業当初は、戸田書店静岡本店が地下1階から地下2階の一部に入居していましたが、2020年7月に閉店。その後、2021年6月には日本リージャスホールディングスがビジネスセンターを開設するなど、テナント構成は変化を続けています。

葵タワーの3階にある静岡市美術館は、財団法人静岡市文化振興財団が管理運営しています。展示室は3室で約1100平方メートル、天井高4.1～4.5メートルと広々とした空間を確保。国宝や重要文化財などの展示も可能な構造となっており、デザインや工芸作品など幅広いジャンルの企画展を開催しています。収蔵品を持たない点が特徴で、柔軟な企画展により、多くの人々を魅了しています。

美術館のロゴと基本方針

静岡市美術館のロゴマークは、富士山をモチーフに二つの円を重ねたデザインで、「人をつなぐ美術館」「地域を世界に発信する美術館」というメッセージが込められています。このロゴは、世界三大広告賞の一つであるOne Showの銀賞を受賞するなど、高い評価を得ています。

美術館の基本方針は、①静岡の歴史や文化を継承し、新しい文化を創造・発信する、②美術を主軸に幅広いジャンルの展示を行う、③街に開かれた交流拠点となる、④子どもからお年寄りまで楽しめる美術館を目指す、の4点です。

館内には、展示室の他に、コンサートやトークイベントなどに利用される交流ゾーン、カフェ、ミュージアムショップ、ワークショップ室などが整備されています。ミュージアムショップでは、美術関連書籍や文具、地元メーカーの製品など、200点以上の商品を取り揃えています。

開館時間と来場者数

開館時間は午前10時から午後7時まで。休館日は月曜日（祝日の場合は開館、翌日休館）、年末年始です。

初年度の来場者数は29万人と、前身の静岡アートギャラリーの約6倍に上り、その人気ぶりを示しています。1企画展あたりの来場者数は約3万人、市外からの来場者は45%を占めており、地域を飛び越えた文化交流拠点としての役割を果たしていると言えるでしょう。

フロア構成と周辺環境

葵タワー複合棟は、地下1階から2階が商業フロア、3階が静岡市美術館、4階から6階と24階が結婚式場、7階から23階がオフィスフロア、25階がレストランとなっています。駐車場棟は葵タワーと連絡通路で接続されており、利便性を高めています。周辺には、パルシェ、ASTY静岡、新静岡セノバなど、多くの商業施設が集積しており、静岡市の中心地として賑わいを見せています。葵タワーは、単なるビルではなく、地域社会に貢献する複合的なランドマークとして、その存在感を示しています。

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