蒲田勝

蒲田 勝の競技人生

蒲田勝（かまた まさる、1940年4月21日生まれ）は、日本の陸上競技界に名を刻む元短距離走選手です。彼の競技人生は、多くの業績と記録で彩られており、日本陸上競技の成長に寄与しました。

幼少期と高校時代

最初は野球に親しんでいた蒲田は、田辺市立明洋中学校在学中、教員に勧められて陸上競技に参加しました。このきっかけが、彼の陸上選手としてのキャリアの始まりとなります。和歌山県立田辺高等学校に進学後、陸上部に入り、彼の才能は早くも開花。特に、1957年と1958年には全国高等学校総合体育大会陸上競技大会で男子100メートル競走を連続で優勝し、200メートル競走でも勝利を収めました。

高校2年生の時には、第12回国民体育大会にて100メートル競走に挑み、10秒5の高校生日本記録を打ち立てる偉業を達成しました。この成果によって、日本の陸上競技界での地位を確固たるものとしました。さらに、1958年にはアジア競技大会に出場し、400メートルリレーで銀メダルを獲得しました。

大学時代と実業団経歴

高校卒業後、蒲田は早稲田大学に進学し、引き続き陸上競技を続けます。大学での競技生活では、さらなる成長を遂げ、実業団の東急に所属してからもその勢いは止まりませんでした。1963年には第18回国民体育大会に成年男子100メートル競走で出場しました。この大会では、彼の実弟も少年男子100メートル競走にエントリーしており、兄弟揃っての競技が注目されました。

名実ともにトップ選手へ

1964年、日本陸上競技選手権大会において、蒲田は男子100メートル競走で10秒6の好タイムを記録し、優勝しました。この勝利は、彼のピーク時のパフォーマンスを象徴するものでした。同年、東京オリンピックにも出場。このオリンピックでは、男子100メートル競走に参加したものの、予選でのタイムが10秒9となり、残念ながら敗退しました。また、400メートルリレーにも出走し、他のメンバーたちと共にバトンを繋ぎましたが、こちらも2次予選での敗退となりました。

後の回想では、リレーにおいてバトンパスの不具合が悔やまれる瞬間となったことが語られました。蒲田は「私と浅井選手のバトンパスが乱れてしまったことが唯一の悔い」と述べています。ライバルとしての意識が強く、練習の際もお互いに本気でバトンパスに取り組まなかったことが影響していたようです。

現在の活動

競技生活を終えた後も、蒲田は陸上の普及活動に力を注ぎ、日本のアスリートたちの育成に寄与しています。また、2021年4月には2020年東京オリンピックの聖火リレーに参加し、故郷の田辺市内区間で走者として名を馳せました。このように、彼は競技者としての活動だけでなく、地域社会とのつながりも大切にしながら新たな形で陸上競技の振興に貢献しています。

彼のキャリアは、数々の記録とともに、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索