蒲田魔女

蒲田魔女（かまたまじょ）

かずといずみ氏が手掛けた4コマ漫画作品。角川書店発行の『4コマnanoエース』にて、2011年 Vol.2から2012年 Vol.13にかけて連載されました。単行本は全1巻が刊行されています。

概要

本作は、作者にとって比較的久しい連載作品となりました。物語の舞台は、作者の出身地でもある東京都大田区の蒲田。単行本の発売時には、芳林堂書店にて限定の4コマペーパーや、とらのあなで「幻の最終回」といった特典が配布され、また芳林堂書店の一部店舗では数量限定のサイン本も販売されるなど、販売促進にも力が入れられました。

あらすじ

物語の中心となるのは、「蒲田魔女」と呼ばれる一人の魔女。彼女は蒲田を拠点に、乙女たちの願い事を叶えることを仕事としています。その報酬は、乙女から分け与えられる魔力。魔力を得る手段は、なんとキスというユニークな方法です。ある日、蒲田魔女は、最近蒲田に引っ越してきたばかりの少女、矢口羽子と出会います。羽子は、蒲田魔女がうっかり落としてしまった杖を届けに来てくれたのでした。杖を届けてもらったお礼として、蒲田魔女は羽子に願い事を叶えてあげると申し出ますが、特にこれといった願いを持たない羽子は、代わりに蒲田の街を案内してほしいと頼みます。蒲田の様々な場所を巡った後、約束通り報酬の魔力を得るために羽子にキスをした際、蒲田魔女は驚愕の事実を知ります。それは、羽子が魔力を無限に生み出すことができる、類まれなる特異体質の持ち主だということでした。この発見以来、蒲田魔女は豊富な魔力を求めて、半ば強引に羽子に付きまとうようになります。

登場人物・猫

本作の登場人物の多くは、魔女を除き、苗字が東京都大田区内の地名や駅名から採られています。

ニボシ・ティティ（源氏名：マリリン）
主人公。通称「蒲田魔女」。イギリス出身で121歳の金髪メガネっ娘。身長148cm、体重40kg。真面目な性格ながら、ドジで失敗が多く、しばしば金欠に陥って夜逃げを繰り返すことも。しかし、博識で頭の回転は速いです。誰に対しても丁寧な言葉遣いを崩しません。双子の姉である品川魔女とは犬猿の仲。好物は餃子とビール、趣味はバーボンロードでの飲み歩きと餃子作り。魔女の秘薬「ネコナール」「ヒトナール」を所持しています。

矢口羽子（やぐち はねこ）
物語のキーパーソン。千葉県出身の15歳（後に16歳）。身長165cm、体重50kg。最近蒲田に越してきました。普段から無表情で、周囲に威圧感を与えることがあります。母親を亡くし、現在は父親と二人暮らし。家事全般が得意で、特に餃子作りは絶品ですが、学業は苦手で追試の常連です。魔力を無限に生成できる特異体質のため、魔女からキスを受けてもその記憶を失わないという稀有な存在。百合の気質はないため、魔力目的でつきまとう蒲田魔女をストーカー扱いしています。好物はお寿司。

品川魔女（しながわまじょ）
蒲田魔女の双子の姉。本名は不明ですが、妹同様にコンプレックスのある名前のようです。121歳ですが自称は永遠の20歳。身長170cm、体重52kg。多才で優秀な魔女ですが、能力の劣る妹をいじめて楽しむのが趣味という困った一面も。グラマラスな体型（B98cm）ですが、肝心なところでミスを犯すドジさもあります。一度危篤状態に陥った際に羽子に人工呼吸で救われ、それ以来羽子に強い好意を抱くようになります。使い魔のノリオを従え、品川の高級マンションを拠点としています。

長原未子（ながはら みこ）
羽子のクラスメイトで学級委員を務める少女。東京都大田区蒲田出身の15歳。身長155cm、体重48kg。両親が教師で成績優秀。4人姉妹の末っ子で、家では目立たないため、学校では目立ちたい願望が強いです。周囲には内緒でコスプレを趣味としており、羽子とは次第に友人関係を築いていきます。

千鳥梅花（ちどり うめか）
魔女に憧れる小学6年生の少女。東京都大田区蒲田出身の11歳。身長142cm、体重30kg。蒲田で「蒲田の魔女」と名乗り、魔女の真似事をしていました。努力家ですが、「世界を恐怖と混乱に陥れたい」という自己中心的な理由から魔女を目指しています。新蒲田の豪邸に住み、裕福な家庭で育ちました。当初は蒲田魔女に弟子入りしますが、より強力な品川魔女に魅せられ、あっさり乗り換えます。

鳥居すみれ（とりい すみれ）
羽子の学校の数学教師。埼玉県出身の34歳。身長160cm、体重49kg。真面目で教育熱心な美人教師で生徒からの人気も高いです。女性ばかりの家庭で育った影響か男性が苦手。百合の気質があり、羽子に特別な感情を抱いています。趣味は学校行事に全力投球することと自分磨き。

矢口航一（やぐち こういち）
羽子の父親。静岡県出身の40歳。身長177cmの長身で細身のイケメンですが、妻に先立たれた寡夫。全国を飛び回り顧客に頭を下げる謎の仕事をしており、役職は「お客様相談係」の課長。職業柄、すぐに謝罪する癖があります。趣味は全国各地のラーメンを食べること。好物はラーメンと羽子の手料理。

猫たち
スミコ（源氏名：アンジェリーナ）：蒲田魔女の元使い魔。雑種で3歳のメス猫。現在は高級猫カフェ「ニャポレオン」の指名ナンバーワン。蒲田魔女の経済力のなさに愛想を尽かして一度失踪しましたが、猫カフェで稼ぐ術を覚え、蒲田に戻ってきました。高級な鶏肉が好物。
ココ（源氏名：エリザベス）：ニャポレオンの指名ナンバーツー。メイン・クーンの血統書付きで5歳。気が強くなかなか売れ残っていましたが、ニャポレオンのオーナーに引き取られました。新入り猫の教育や毛づくろいが趣味。顧客のニーズを素早く読み取る特技を持ち、ナンバー3のサユリと仲が良いです。
サユリ：ニャポレオンの指名ナンバー3。4歳の元野良猫で詳細は不明。ココとよく一緒にいます。
ノリオ：品川魔女の使い魔。オスの血統書付き高級猫ですが、その容姿は血統書付きとは思えない独特なもの。使い魔としては非常に有能で、品川魔女のスケジュール管理なども行います。

書誌情報

* かずといずみ『蒲田魔女』 角川書店〈角川コミックス・エースエクストラ〉 2012年7月4日発行、ISBN 978-4-04-120302-6

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※この記述は作品の情報に基づき作成されています。

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