かずといずみ

かずと いずみは、1979年12月3日生まれ、東京都大田区出身の日本の漫画家です。結婚しており、かつては「いずみ」というペンネームを使用していた時期もあります。

漫画家としてのキャリアは、2001年に竹書房の雑誌『まんがくらぶ』に掲載された4コマ漫画「クリーニングみなみちゃん」で始まりました。この作品は、自身がかつてクリーニング店でアルバイトをしていた経験から着想を得たものです。同作は第7回竹書房漫画新人賞で佳作を受賞し、デビューのきっかけとなりました。翌2002年には、芳文社の『まんがタイムきらら』にて「ちょこパフェ」で初の連載を開始し、4コマ漫画家として活動していました。

転機が訪れたのは2004年です。活動の主軸をストーリー漫画に移し、小学館の『月刊サンデーGENE-X』で「貧乏姉妹物語」の連載を開始しました。この作品は彼女の代表作となり、貧しいながらも支え合う姉妹の日常を描き、読者の支持を得ました。その人気から、2006年にはテレビアニメ化もされ、テレビ朝日などで放送されました。

「貧乏姉妹物語」の連載終了後、活動のスタイルに変化が見られました。エンターブレインの『マジキュー』やジャイブの『月刊コミックラッシュ』、一迅社の『コミック百合姫』などで単発のイラストや読み切り作品を発表することはありましたが、しばらく商業誌でのまとまった連載からは遠ざかります。2011年5月、自身のブログでこの時期について言及し、商業誌での連載が「多くの人に見てもらえる機会」である反面、「多くの人に迷惑をかけてしまう」可能性もあるという認識が生まれ、自信を失い連載に踏み出せずにいた胸の内を明かしました。しかし、そのような状況の中で「蒲田魔女」の連載依頼を受け、「もう一度頑張ってみよう」という気持ちになったと綴っています。これにより、2011年に角川書店の『4コマnanoエース』で久々の商業連載となる4コマ漫画「蒲田魔女」が始まりました。その後も芳文社のウェブコミック誌『つぼみwebコミック』で「銭湯ハワイ」を連載するなど、商業での発表も続けました。

現在の創作活動は、商業誌での連載は事実上の休業状態であり、主にコミックイベント等での色紙画の制作販売や、多岐にわたるテーマで精力的に行っている同人誌活動が主体となっています。同人誌はこれまでに数多く発行しており、本人ですら過去の作品全てを把握しきれないほどだといいます。

人物としては、温泉ソムリエの資格を持っています。私生活では結婚後、2013年5月には第1子となる男児、2019年3月には第2子となる女児を出産し、現在は育児を中心とした生活を送っています。高校時代はルーズソックスブームの中でタイツ、特に黒タイツを愛用しており、そのこだわりは現在の作品における少女キャラクターのファッションにも色濃く反映されています。代表作「貧乏姉妹物語」に登場する桜の木が見えるアパートは、かつて下宿を営んでいたという作者の実家がモデルとなっており、姉妹は作者の知人がモデルですが、作者自身も二姉妹です。デビュー前の2000年頃からの付き合いがある漫画家・よしづきくみちとは今も親交が深く、お互いの同人誌に寄稿するなどしており、絵のタッチにも相互の影響が見られます。

作風の特徴としては、登場人物のほとんどが女性で占められ、女性が主人公の作品が多いことが挙げられます。男性が登場しない作品も少なくありませんが、短編集「小さな惑星の小さなお話」収録の「はちみつレモン」のように男性を主人公とした数少ない例もあります。また、少女キャラクターが黒や白のタイツを着用している描写が多いこと、そして百合（女性同士の恋愛や友情）を匂わせる作品が多いことも特徴として挙げられ、作者自身も自己紹介などでこれを認めています。

ブログはかつて定期的に更新していましたが、現在はTwitterの利用が主となったことや育児のため、コミックマーケットやコミティアへの参加告知などに更新が留まる傾向にありましたが、近年は更新頻度が少し増えています。

商業連載からは距離を置いているものの、多作な同人活動や色紙画の制作販売を通じて、現在もファンとの繋がりを保ち、創作活動を続けています。

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