蒼い衝動 (アルバム)

チープ・トリック『蒼い衝動』解説

『蒼い衝動』（原題：Woke up with a Monster）は、アメリカのロックバンド、チープ・トリックが1994年に発表したアルバムです。このアルバムは、バンドにとって4年ぶりのスタジオ・アルバムであり、エピック・レコードからワーナー・ブラザース・レコードへの移籍後、初の作品としてリリースされました。

しかし、ワーナー・ブラザースとの契約は本作限りで終了しています。

アルバムの背景

チープ・トリックは、1970年代後半から1980年代にかけて、「甘い罠 (I Want You to Want Me)」や「永遠の愛の炎 (The Flame)」などのヒット曲で世界的な人気を博しました。しかし、1990年代に入ると、バンドの勢いは衰え、レコード会社との契約も解消されるなど、苦境に立たされていました。

そのような状況の中、ワーナー・ブラザース・レコードとの契約を得て制作されたのが、この『蒼い衝動』です。バンドは、新たなスタートを切るべく、意欲的にアルバム制作に取り組みました。

収録曲

アルバムには、全12曲が収録されています。以下に主な収録曲を挙げます。

1. マイ・ギャング - "My Gang"
2. 蒼い衝動 - "Woke up with a Monster"
3. 僕にすべての愛を - "You're All I Wanna Do"
4. 君だけを信じて - "Never Run out of Love"
5. 永遠の絆 - "Didn't Know I Had It"
6. ライド・ザ・ポニー - "Ride the Pony"
7. ガールフレンド - "Girlfriends"
8. レット・ハー・ゴー - "Let Her Go"
9. テル・ミー・エヴリシング - "Tell Me Everything"
10. クライ・ベイビー - "Cry Baby"
11. ラヴ・ミー・フォー・ア・ミニット - "Love Me for a Minute"
12. サーベル・ダンス〜剣の舞〜 - "Sabre Dance" (日本盤ボーナス・トラック)

シングルカットされた「蒼い衝動」は、Billboardメインストリームロックチャートで16位を記録しました。

参加ミュージシャン

アルバムには、以下のメンバーが参加しています。

ロビン・ザンダー - ボーカル
リック・ニールセン - ギター、バッキング・ボーカル
トム・ピーターソン - ベース、バッキング・ボーカル
バン・E・カルロス - ドラムス

評価と影響

『蒼い衝動』は、発表当時、音楽評論家からは賛否両論の評価を受けました。しかし、一部のファンからは、チープ・トリックの原点回帰を評価する声も上がりました。アルバムは、商業的には成功しませんでしたが、バンドの音楽的な幅広さを示す作品として、現在でも評価されています。

このアルバム以降、チープ・トリックは、インディーズ・レーベルからのリリースや、ライブ活動を中心に活動を続けました。2016年には、ロックの殿堂入りを果たし、再び注目を集めています。

『蒼い衝動』は、チープ・トリックの歴史の中で、重要なターニングポイントとなったアルバムと言えるでしょう。

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