蒼-iconoclast/PIGEON-the green-ey'd monster

「蒼-iconoclast/PIGEON -the green-ey'd monster」

KOTOKOが小文字のkotoko名義で発表したシングルとしては初の、通算13作目となる作品が「蒼-iconoclast/PIGEON -the green-ey'd monster」です。このシングルは、前作「U make 愛 dream」から約6ヶ月の間隔を置いてリリースされました。また、二つの楽曲をシングルの表題曲とする両A面形式としては、2004年のデビューシングル『覚えてていいよ/DuDiDuWalalala』以来、およそ5年ぶりとなります。

本作がリリースされた2009年は、KOTOKOがメジャーデビュー5周年を迎えた節目の年でした。これを契機に、所属するI'veの枠を超えた活動を展開していくことになり、その一環として、外部作品に関わる際のアーティスト名義を小文字の「kotoko」とする構想が生まれました。この「kotoko」名義での活動の第一弾として位置づけられたのが、このシングルです。奇しくも、同時期には大文字の「KOTOKO」名義でのシングル「snIpe」も発売されており、二つの名義が存在する時期がありました。

当初の計画では、I've内での活動はこれまで通り大文字のKOTOKO名義で行い、外部での活動は小文字のkotoko名義で行う、という形で両立させていくアイデアがあったとされています。しかし、実際にこのシングルが発売された後、小文字のkotoko名義が使用されることは二度とありませんでした。結果として、この「蒼-iconoclast/PIGEON -the green-ey'd monster」が、小文字のkotoko名義でリリースされた最初で最後の作品となりました。その後、KOTOKOがI'veから独立して以降も、I'veの制作に関わらない作品を含め、一貫して大文字のKOTOKO名義が使われ続けています。このシングルの名義変更は、結果的には短期間の試みに終わったものの、当時のKOTOKOの新たな活動への意欲を示すものであったと言えるでしょう。

CDのリリース形態についても、これまでのKOTOKOのシングル作品とは異なる点が見られました。I've制作のシングルでは、DVD付きの初回限定盤とCDのみの通常盤という2種類の形態でリリースされるのが一般的でしたが、本作ではDVD付きの初回限定盤は設定されず、CDのみの単一形態でのリリースとなりました。

両A面シングルとして収録されている二つの表題曲は、それぞれ異なるタイアップが付いています。「蒼-iconoclast」は、本作の発売時期とほぼ同じタイミングでリリースされた人気2D対戦型格闘ゲーム、Xbox 360版およびPlayStation 3版『BLAZBLUE CALAMITY TRIGGER』の主題歌として採用されました。ゲームの世界観に合わせた疾走感と力強さを持つ楽曲です。また、この曲は独立系音楽情報番組『アニメTV』のエンディングテーマとしても起用されました。「PIGEON -the green-ey'd monster」は、作曲を宮崎歩氏が手掛けており、こちらもゲームのタイアップは明記されていませんが、作品の世界観に寄り添うような楽曲となっています。

収録曲は以下の通りです。全曲の作詞はKOTOKO自身が手掛け、編曲は宮崎歩氏が担当しています。

蒼-iconoclast
作曲：佐々倉有吾
タイアップ：Xbox 360/プレイステーション3用ゲーム「BLAZBLUE CALAMITY TRIGGER」主題歌、アニメ情報番組「アニメTV」エンディングテーマ
PIGEON-the green-ey'd monster
作曲：宮崎歩
蒼-iconoclast（Instrumental）
PIGEON-the green-ey'd monster（Instrumental）

このシングルは、KOTOKOのキャリアにおいて、名義変更というユニークな試みが行われた作品であり、その後の活動名義の定着を考える上でも重要な位置づけにあると言えます。また、両A面という構成と、人気ゲーム『BLAZBLUE』へのタイアップによって、多くのファンに聴かれる機会を得ました。

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