蓬 (駆逐艦)

蓬（よもぎ）駆逐艦

蓬（よもぎ）は、日本の大日本帝国海軍に属する駆逐艦で、樅型駆逐艦の19番艦です。1921年の起工から、わずか1年後の1922年に進水し、その年の8月19日に竣工しました。この艦は、大正から昭和にかけての日本海軍の活動の証として、数々の戦歴を持っています。

艦歴

蓬は、1937年から1938年にかけての日中戦争で華北沿岸の作戦に参加しました。この戦争は、中国との緊張が高まる中で、日本の軍事力を試す重要な場となっていました。その後、1940年4月1日には、哨戒艇に類別が変更され、第38号哨戒艇に改称されました。

太平洋戦争が勃発すると、蓬は南方の海上護衛および哨戒作戦に従事しました。1942年1月12日は特に重要な日であり、タカラン攻略作戦に参加中、オランダの敷設艦であるプリンス・ファン・オラニエを発見し、同艦を撃沈しました。この交戦は、蘭印方面における初の水上艦同士の戦闘としても特筆すべきものであり、国際的な関心を集めました。

1942年の3月から4月にかけては、西部ニューギニアの戡定作戦にも参加しています。この時期、日本海軍は南太平洋の戦局で優位を保つために、様々な軍事作戦を展開していました。

1944年11月23日、蓬は特設運送船「さんとす丸」を護衛して、高雄に向けてマニラを出港しました。しかし、その航路において米潜水艦アトゥルの待ち伏せに遭遇し、11月25日に撃沈されてしまいます。この戦闘で、艦長を含む145名が戦死するという痛ましい結果となりました。

その後、1945年3月10日に除籍となり、戦争の激化と共にその存在も薄れていきましたが、高雄の道教霊廟では神艦として今でも祀られています。これは、日本海軍の艦船が持っていた戦争の歴史を物語る一つの証でもあります。

艦長

蓬の艦長は多くの歴任者がいて、少佐から大尉まで様々な階級の将校が指揮を執りました。特に有馬直少佐は就役初期から艦を指揮しており、その後も数名の艦長が艦の運用に当たっていました。1943年の段階で艦長を務めた高田又男大尉は、最後まで艦を指揮して戦闘に臨みましたが、悲劇的な最期を迎えました。

結論

蓬は、日本海軍における駆逐艦の一つとして、大正から昭和にかけての日本の海上戦略に貢献し、様々な戦闘に参加した艦でありました。その歴史的な役割は、今後も多くの人々に記憶され続けることでしょう。

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