蔚山 (フリゲート)

蔚山級フリゲート「蔚山」

「蔚山」（英語: ROKS Ulsan, FF-951）は、大韓民国海軍に所属するフリゲート艦で、蔚山級フリゲートの初代艦です。この艦名は、艦が位置する蔚山広域市に由来しています。1980年代に就役し、数多くの重要な任務を遂行してきました。

艦歴の概要

「蔚山」は、1983年4月9日に済州東方海上で発生した「第1マサン号」の沈没事故において、同艦の船長および乗組員7人を救助した実績があります。この任務は当時の韓国海軍にとって、海上での人道的な対応を示す重要な事例の一つとなりました。

さらに、1983年12月3日には指揮艦としての役割を果たし、釜山の多大浦海岸近くに浸透した敵のスパイ船を撃沈しました。これは、韓国海軍の防衛能力を示す重大な任務でした。

1993年には、韓国海軍艦艇として初めてロシアのウラジオストクを訪問し、国際的な交流を深める一助となりました。この訪問は、当時の軍事的な緊張を和らげる一環としても評価されています。

退役とその後

「蔚山」は2014年12月30日に鎮海軍港で退役式典を迎えました。その後、蔚山市南区と海軍本部の間で協議が行われ、艦が持つ展示施設としての価値が認識されました。これにより、「蔚山」は無償貸与契約が結ばれ、24億ウォンをかけて改修工事が進められました。

改修が完了したのは2017年4月18日で、4月20日からは蔚山広域市南区長生浦にて一般公開されることとなりました。現在、訪れる人々は艦内のいくつかのコンパートメントを見ることができ、特に乗組員の寝室、指揮情報センター（CIC）、艦長室、艦橋などが公開されています。見学料金は個人1000ウォン、団体で800ウォン（20人以上）と親しみやすい価格設定がなされています。

「蔚山」は、ただの軍艦ではなく、歴史を物語る証人として地元住民や訪問者に親しまれており、観光資源としても重要な存在となっています。艦からの見学を通じて、海軍の任務や歴史に触れる機会が提供されることは、教育的な価値も兼ね備えています。これからも多くの人々が「蔚山」を訪れ、その偉業に思いを馳せることでしょう。

もう一度検索