蔵持 不三也(くらもち ふみや)について
蔵持不三也は、日本の著名な
文化人類学者であり、
早稲田大学の名誉教授です。彼の専門は、
文化人類学、フランス民族学、及び歴史人類学です。彼の研究は、日本国内外で高く評価され、多くの研究者や学生に影響を与えてきました。
来歴
1946年、
栃木県今市市(現在の日光市)に生まれた彼は、
1965年に東京都立鷺宮高等学校を卒業し、
1972年に
早稲田大学第一文学部の仏文専修を卒業しました。その後、
1977年にはパリ第4大学(ソルボンヌ大学)の修士課程を修了し、
1979年には社会科学高等研究院でDEA課程を修了しました。特に、EHESSではマルセル・モースの弟子であるアンドレ・ヴァラニャックに学びました。
彼の業績は多岐にわたり、
1986年には共訳で『インド=ヨーロッパ諸制度語彙集I・II』を出版し、日本翻訳出版文化賞を受賞しました。また、1997年には「ペストの文化誌―ヨーロッパの民衆文化と疫病」により、
早稲田大学から人間科学の博士号を取得しました。その後、
和光大学人文学部や
早稲田大学第一文学部で非常勤講師を務め、
1987年には
早稲田大学人間科学部の助教授に就任し、
1992年に教授に昇任しました。
1999年から
2000年には、モンペリエ第3大学の客員教授として活動し、
2004年には学術院の教授に就任しました。そして、
2017年に定年退職を迎えました。
人物
彼の影響を受けた卒業生には、
武蔵大学教授の嶋内博愛、
東京学芸大学教授の出口雅敏などがおり、
北海道教育大学教授の村田敦郎、ソウル祥明大学教授の曺圭憲もその門下生として知られています。
著作
彼の著作は非常に多岐にわたります。単著では、1984年の『祝祭の構図―ブリューゲル・カルナヴァル・民衆文化』を皮切りに、
1986年の『異貌の中世―ヨーロッパの聖と俗』、1988年の『ワインの民族誌』など、次々と重要な作品を発表しました。特に、1995年の『ペストの文化誌―ヨーロッパの民衆文化と疫病』は、彼の代表作の一つであり、広く読まれています。その他にも、『シャルラタン―歴史と諧謔の仕掛人たち』(2003年)や『奇蹟と痙攣―近代フランスの宗教対立と民衆文化』(2019年)などがあり、さまざまな療法の視点から人類の文化を探求しています。
共編著や監修も多く、国際的な視野での学術交流や近代文化の理解に貢献しています。
最後に
蔵持不三也の研究は、現代の
文化人類学において重要な位置を占めています。彼の業績は、日本の学術界に多大な影響を与え、多くの新たな知見をもたらしました。彼の研究の成果は、今後も多くの研究者や学生に引き継がれていくことでしょう。