蔵王峠

蔵王峠

蔵王峠は、大阪府河内長野市と和歌山県伊都郡かつらぎ町の境に位置する峠です。和泉山脈に属し、東の紀見峠と西の鍋谷峠の間に位置しています。

概要

大阪府道・和歌山県道61号堺かつらぎ線が峠を越えており、大阪府と和歌山県を結ぶ重要なルートとなっています。峠のすぐ東側には「葛城蔵王権現社」が鎮座し、歴史と信仰の地としての趣を添えています。また、峠の北側からは林道が分岐しており、三国山や鍋谷峠方面へと通じています。

西側の鍋谷峠と同様に、蔵王峠もオートバイのツーリングコースやレジャースポットとして親しまれています。しかし、堺かつらぎ線の一部区間は舗装が十分に行き届いていない箇所や、峠付近で道幅が極端に狭くなっている場所があります。通行の際には注意が必要です。峠の北側には滝畑ダムがあり、周辺はキャンプ場として整備されています。

葛城蔵王権現社

蔵王峠の東側に位置する葛城蔵王権現社は、7世紀、天智天皇の時代に役行者が修験道の行場を開いた場所と伝えられています。この峠には、葛城修験二十八宿の第十四宿「鏡の宿」がありました。『紀伊続風土記』には、「蔵王権現社 境内十四町 蔵王峠にあり。森広くして社は小祠なり。」と記されています。

1986年（昭和61年）には、地元の人々によって境内の拡張整備や社務所の改築などが行われました。参道入口から本殿へと続く階段には、赤い鳥居が立ち並んでいます。主祭神は蔵王権現で、横の祠には役行者、不動明王、理源大師の石像が祀られています。毎年4月18日には例大祭が開催されます。

アクセス

大阪府道・和歌山県道61号堺かつらぎ線を利用します。主要地方道ではありますが、峠付近の大阪府側は乗用車1台分の幅員しかない狭隘路が長く続き、すれ違いが困難な区間が多く存在します。しかし、近年ではマウンテンバイクなどの自転車で峠を越えるサイクリストも多く見かけるようになりました。走行には十分な注意が必要です。

関連項目

* 日本の峠一覧（Wikipedia）

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