蕨小島

蕨小島（わらびこじま）について

蕨小島は、長崎県五島列島に位置する久賀島の北東側、約700メートルの距離に浮かぶ小さな島です。この島は日本最小の有人島として知られ、面積はおよそ0.03平方キロメートル、周囲は約1.8キロメートルです。最高地点は44メートルで、2023年の時点で島の住民はわずか8人にのぼります。

地理と人口

蕨小島は、五島列島の中でも特に小さな島であり、全ての島民が親戚同士で構成されています。彼らは全員が「小島」姓を持ち、カトリックの信徒です。人口は8人という非常に限られた数ですが、彼らはその土地での生活を続けています。

生活環境

島内には基本的なインフラが整っていません。例えば、水道は久賀島からの海底送水に依存しています。また、交番や消防署といった安全・警備機関は島内には存在しないため、緊急事態が発生した際は、島外へ出て通報する必要があります。

産業と交通

蕨小島の主な産業は漁業であり、特にハマチ養殖が行われています。島民は全戸が共同でこの漁業を営んでおり、彼らにとって重要な収入源です。しかし、島には公共交通機関がなく、外部との移動には福江島や久賀島からのチャーター船を利用する必要があります。島内の全ての家庭は自家用の漁船を所有しており、日常的な移動にはそれを使用しています。また、学童は専用のスクールボートを利用して対岸の久賀小学校や久賀中学校に通っています。

かつては、干潮時に久賀島との間の浅瀬を歩いて渡ることができましたが、航路の開設に伴う浚渫工事により、その方法は困難となっています。

教育・医療機関

島内には学校が存在しないため、子どもたちは対岸の学校へ通う形をとっています。また、医療機関もないため、住民は健康面での課題を抱えています。緊急時には島外の医療機関を利用する必要があるため、これも生活の一部に影響を与えています。

まとめ

蕨小島は、小規模ながら独特のコミュニティが形成された島です。厳しい条件の中で生活を維持する島民たちの姿は、地域の伝統や文化を次世代に伝える重要な役割を果たしています。これからも、島が受け継いできた文化と人々の生活が続いていくことが期待されています。

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