薄型ブラウン管

薄型ブラウン管とは

薄型ブラウン管とは、従来のブラウン管に比べて奥行きを短くしたディスプレイのことです。電界放出ディスプレイ（SED）など、他の薄型ディスプレイ技術を指す場合もあります。テレビ受像機への応用を目指し、様々な方式が開発されましたが、市場への普及には至りませんでした。

歴史と開発

薄型ブラウン管の開発は、ブラウン管テレビの奥行きという課題を解決するために進められました。特に、東芝とパナソニックが積極的に開発に取り組んでいました。

東芝: 薄型ブラウン管の開発に取り組んでいましたが、実用化には至りませんでした。具体的な製品は市場に投入されていません。
パナソニック: 薄型ブラウン管テレビを開発・販売しましたが、価格が従来のブラウン管テレビに比べて高価であったため、普及が進まず販売を終了しました。パナソニックは「タウ」や「VIERA」といったブランドでテレビを販売していました。

これらの製品は、従来のブラウン管テレビと比較して薄型化を実現したものの、製造コストや性能面で課題がありました。

2004年7月には、サムスンSDIが当時最薄となる32型のブラウン管「Vixlim」を発表しました。サムスンは、他のサイズのブラウン管も薄型化する方針でしたが、計画は実現されませんでした。LGフィリップス・ディスプレイも同様の薄型ブラウン管を発売する計画でしたが、限定的な販売に留まりました。

薄型ブラウン管が普及しなかった理由

薄型ブラウン管が普及しなかった主な理由は、以下の点が挙げられます。

価格: 薄型化を実現するために高度な技術が必要となり、製造コストが高くなりました。そのため、従来のブラウン管テレビや、液晶テレビといった他の薄型ディスプレイと比較して価格競争力がありませんでした。
技術的な課題: 薄型化に伴い、画質や寿命などの性能を維持することが難しく、開発に課題がありました。
競合技術の台頭: 液晶ディスプレイやプラズマディスプレイなど、より薄型で高性能なディスプレイ技術が台頭し、市場競争力を失いました。

薄型ブラウン管の現状

現在では、薄型ブラウン管は製造されておらず、市場から姿を消しています。しかし、薄型化技術の追求は、その後の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの開発に繋がっており、ディスプレイ技術の進化に貢献しました。

関連項目

タウ(Panasonic): パナソニックのブラウン管テレビのブランドの一つです。
[VIERA]: パナソニックの薄型テレビブランドです。
WEGA(Sony): ソニーのブラウン管テレビブランドです。

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