薔薇のために

薔薇のために

『薔薇のために』は、吉村明美による日本の少女漫画作品で、小学館から全16巻のコミックスと全9巻の文庫版が刊行されています。1994年には小学館漫画賞を受賞し、その人気は台湾にまで広がり、ドラマ『薔薇之恋』の原作としても知られています。

あらすじ

物語の舞台は北海道・札幌市。主人公の枕野ゆりは、祖母の死をきっかけに、自分が有名女優・花井しょう子の娘であることを知ります。身寄りを失い途方に暮れるゆりは、母の家である花屋敷家を訪れることに。そこで彼女を待ち受けていたのは、美形だが強烈な個性の異父兄弟たちでした。コンプレックスを抱えながらも、ゆりは彼らとの共同生活を通して、自身の出生の秘密や、複雑な恋愛模様に巻き込まれていきます。

登場人物

主要人物

枕野 ゆり（まくらの ゆり）
18歳。ぽっちゃりとした体型とそばかす顔が特徴で、容姿に強いコンプレックスを抱いています。花井しょう子と3番目の夫・枕野一郎の娘とされていますが、実際はしょう子の友人・萌子とその恋人・草薙の娘です。花屋敷葵とは異母姉弟にあたります。物語を通して、花屋敷菫に恋心を抱きます。

花屋敷 芙蓉（はなやしき ふよう）
26歳。しょう子の長女で、最初の夫との間に生まれた子です。バツイチで、家ではビデオ鑑賞を好みますが、家事は完璧にこなします。

花屋敷 菫（はなやしき すみれ）
21歳。しょう子の長男で、2番目のアメリカ人夫との間に生まれた子です。青い目が特徴。かつて婚約者を亡くした過去から、心に深い傷を抱えています。ゆりに対しては妹のように接しますが、恋愛対象としては見ていません。

花屋敷 葵（はなやしき あおい）
17歳。しょう子の次男で、草薙との間に生まれた子です。長髪の美形で、花屋敷家の中では唯一ゆりと血縁関係があります。当初は菫に恋心を抱いていましたが、徐々にゆりの純粋さに惹かれていきます。

花井 しょう子（はない しょうこ）
46歳。本名は花屋敷照子。女優で、実年齢よりも若く見えます。奔放な性格で、子供たちの養育は実家に任せて、自身は仕事に専念しています。家事は一切行いません。

その他の人物

ばあや
花屋敷家の家政婦。無愛想な性格ですが、家事が生きがいです。大正末期生まれで、若い頃から花屋敷家に仕えています。意外にも英語が堪能です。

枕野 一郎（まくらの いちろう）
故人。しょう子の3番目の夫で、ゆりの義父です。物静かで優しい性格の小説家でした。

椿沢 セリ（つばきざわ せり）
故人。菫の婚約者。菫の同級生で、病気で亡くなりました。才色兼備で優しい性格でしたが、音痴という一面も持っていました。

桜井 萌子（さくらい もえこ）
ゆりの実母。しょう子の友人であり、枕野一郎の同僚でした。恋人・草薙との間にゆりを授かりますが、交通事故で亡くなりました。

草薙（くさなぎ）
桜井萌子の恋人で、葵の父親です。ゆりの実父でもあります。

桃家 猫吉（ももや ねこきち）
札幌在住の漫画家。家出したゆりを雇います。幅広いジャンルの作品を手がける奇才です。

楓（かえで）
しょうこの4番目の夫の姉の子で、葵のいとこです。葵に横恋慕しますが、最終的に諦めます。

台湾ドラマ『薔薇之恋』

2004年には、本作を原作とした台湾ドラマ『薔薇之恋』が制作されました。このドラマは、台湾版エミー賞である電視金鐘奬で最受歓迎戯劇賞を受賞するなど、高い人気を博しました。S.H.Eのメンバーが主要キャストを務め、話題となりました。

キャスト

鄭百合（枕野ゆり）：エラ・チェン（S.H.E）
荘哲芹（椿沢セリ）：セリーナ・レン（S.H.E）
狄雅蔓（藤子）：セリーナ・レン（S.H.E）
曉楓（楓）：ヒビ・ティエン（S.H.E）
韓菫（花屋敷菫）：ジェリー・ホァン
韓葵（花屋敷葵）：ジョセフ・チェン
韓芙蓉（花屋敷芙蓉）：ルー・ミンジュン
花井しょう子：セシリア・イップ
貓吉（猫吉）：紅膠嚢
婆婆（ばあや）：比莉

スタッフ

プロデューサー：馮家瑞、齊錫麟、王信貴
脚本：齊錫麟、雛湘琴、徐玉樺、陳文桂、宋欣穎
監督：瞿友寧

主題歌

オープニングソング：「花都開好了」 - S.H.E
エンディングソング：「葉子」 - 阿桑（アサン）

また、劇中ではベット・ミドラーの「The Rose」のアレンジも使用されています。

関連書籍

「薔薇之恋のつくり方　Photo and Story」 ISBN 9784877470258

日本国内放送局

（情報なし）

外部リンク

小学館ホームページ
薔薇之恋ホームページ

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