薩摩金山蔵

薩摩金山蔵について

薩摩金山蔵（さつまきんざんぐら）は、鹿児島県いちき串木野市に位置し、串木野金山の跡地を活用した観光施設です。この施設は「金と焼酎」をテーマにしており、訪れた人々に歴史や文化を紹介しています。2005年4月に再オープンされ、以後多くの来館者が訪れる人気スポットとなりました。

歴史と背景

この施設は、いちき串木野市に本社を置く濵田酒造によって運営されています。元々は2003年に閉園した「ゴールドパーク串木野」の跡地を再たたくことで、地域の魅力を再評価する目的で立ち上げられました。江戸末期から続く金山の歴史と、500年の焼酎製造の伝統を語る場所として整備されました。

当初のゴールドパークのデザインはポストモダンであったのに対し、薩摩金山蔵では和の要素を取り入れたデザインが施されています。この施設は、2005年から2010年までに100万人以上が訪問しており、多くの人々に愛されてきました。

観光坑道と焼酎の製造

串木野金山の西山坑は観光用の坑道として一般開放されています。訪問者はかつてトロッコ列車を利用して坑道内部を見学することができ、かつて使用された施設の一部は焼酎の長期熟成を行う貯蔵庫として利用されています。1000Lの容器に収納された原酒は、訪れる人々に焼酎の歴史を感じさせます。

また、観光坑道では「お預かり焼酎」というサービスが提供されており、顧客は少量の焼酎にメッセージを添えて預けることができます。これは、訪問者にとって特別な体験となり、また洞窟の一部には伝統的な甕仕込みを取り入れた焼酎作りの様子や醸造についての展示もあります。

中でも特筆すべきは、江戸時代の「どんぶり仕込み」を採用している点です。さらに、女性杜氏を迎えて古式焼酎の製造にも挑戦しています。

除却される施設と新たな挑戦

古い展示物や作業風景の再現は見直されていますが、採鉱や運搬に関連する展示は一部縮小されました。それでもなお、旧タイマイト庫や鉱石を運搬するための機械などの見どころは残されており、歴史的価値のある遺物が訪問者を待っています。

屋外エリアと飲食

敷地内には、食事処『ほたる庵』や焼酎を扱う店舗『蔵の仲見世』、試飲ができるコーナーなどが用意されています。また、金鉱洞から流れる天然鉱泉水を利用した入浴施設もありましたが、2010年に閉鎖されました。これらの施設は、観光客がリラックスしたり、地元の食品を楽しんだりする場となっています。

日本酒の醸造開始

興味深いのは、2012年から清酒の醸造も開始した点です。鹿児島県内での日本酒製造は1972年以来のことで、地元文化の新しい一面を発見できます。製造に使用する酒米には「ツクシホマレ」と「山田錦」があり、それぞれ異なる味わいを持つ酒を生み出しています。

アクセス

薩摩金山蔵へのアクセスは便利で、JR九州の各線から車で約20分ほどです。また、周辺には数多くの観光スポットが点在しており、歴史を感じながら時間を楽しむことができるでしょう。

この場所は、単なる観光地に留まらず、薩摩の歴史や文化を学ぶ貴重な経験を提供してくれます。

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