薬水駅

薬水駅

薬水駅は、奈良県吉野郡大淀町薬水にある近畿日本鉄道吉野線の駅です。駅番号はF49。のどかな山里に佇む小さな駅で、周辺には薬水大師という寺があり、静かで落ち着いた雰囲気です。

歴史

薬水駅は、1924年（大正13年）に吉野鉄道によって開業しました。その後、幾度かの合併を経て、現在の近畿日本鉄道吉野線の一部となりました。長い歴史の中で、地域の人々の生活を支え、時代の変化を静かに見守ってきたと言えるでしょう。特に、2007年（平成19年）からのPiTaPaの利用開始は、利用者の利便性を向上させた大きな出来事の一つと言えるでしょう。

駅構造

薬水駅は、単式ホーム1面1線というシンプルな構造です。ホームは斜面上に位置し、地上から階段でアクセスします。駅舎はなく、階段を上がるとすぐにホームという、簡素ながらも風情のある造りとなっています。ホームの有効長は4両分です。棒線駅のため、吉野方面と大阪阿部野橋方面の列車は同じホームを発着します。

無人駅であるため、自動改札機は設置されていません。PiTaPaやICOCAなどのICカードは、専用の簡易改札機を利用します。かつては構内にトイレが設置されていましたが、現在は撤去されています。

利用状況

薬水駅の利用客数は、近年減少傾向にあります。2012年には1日あたり100人を超える乗降客がいましたが、近年は50人前後となっています。これは、周辺地域の過疎化や自動車の普及などが影響していると考えられます。

以下に、近年の1日あたりの乗降客数データを示します。

2023年11月7日：47人
2022年11月8日：58人
2021年11月9日：55人
2018年11月13日：85人
2015年11月10日：109人
2012年11月13日：112人
2010年11月9日：90人
2008年11月18日：118人
* 2005年11月8日：112人

これらのデータから、薬水駅の利用状況は年々減少していることが分かります。

駅周辺

駅名の由来となった薬水大師は、駅からほど近い場所に位置しています。この寺は、古くから地域の人々に親しまれており、静かな環境の中で信仰を集めています。また、駅の南側には、大淀町よどりタクシーの停留所「薬水出合」があります。これは乗合型デマンド交通で、利用には事前に登録が必要です。

隣の駅

通常は特急以外の全定期旅客列車が停車しますが、行楽シーズンのみ運転される快速急行は停車しません。

薬水駅は、規模は小さく、利用客数も少ないですが、地域の生活に密着した重要な役割を担う駅です。静かな山里の風景の中に溶け込むように存在する薬水駅は、訪れる人にやすらぎを与えてくれる場所と言えるでしょう。

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