薯童謠 (テレビドラマ)

薯童謠（ソドンヨ）：百済を舞台にした愛と野望の歴史ドラマ

『薯童謠』（ソドンヨ、ハングル表記：서동요）は、韓国のSBS放送が創社15周年を記念して制作した全55話の長編大河ドラマです。2005年9月5日から2006年3月21日まで放送されました。正式タイトルは『薯童謠-SONG OF THE PRINCE-』です。

日本では、2006年3月29日から2006年10月4日までKNTVで放送された後、衛星劇場でも放送されました。さらに、2008年3月31日から6月13日までBS朝日でも放送されました。演出は、数々のヒット作を手掛けてきたイ・ビョンフンが担当しています。

概要

従来の韓国大河ドラマは朝鮮王朝時代を舞台にすることが多かったのですが、本作は韓国ドラマ史上初めて三国時代の百済を舞台としています。『宮廷女官チャングムの誓い』のスタッフが再集結し、百済の武王が作ったとされる、敵国の姫との恋物語を歌った民謡「薯童謡」を題材にしています。物語は、百済の王子チャンと、敵対国家である新羅の第3王女・善花（ソンファ）姫との純愛、そしてチャンが国王になるまでの険しい道のりを描いた歴史ロマン大作です。

主人公のチャンは、百済国王の四男として生まれながら、数奇な運命によって平民として育てられます。幼い頃から才知に溢れ、百済の優秀な技術者として成長していきます。しかし、敵国である新羅のソンファ姫と出会い、恋に落ちてしまいます。敵国の姫への恋に苦悩しながらも、自分の出生の秘密を知り、権力のためではなく、民に平安を与え、百済を立派な国にするという理想のために、王となるべく立ち上がっていくチャンの姿を描いています。

『宮廷女官チャングムの誓い』では宮廷料理や医術などがクローズアップされましたが、『薯童謠』では当時の最先端技術であった百済の科学技術や先進文化が作品に大きく取り入れられています。百済は飛鳥時代の倭国（日本）と深い関わりがあったため、聖徳太子との交流も物語に織り込まれています。

主要登場人物

チャン（璋）/ソドン（薯童）/武王： 百済第30代王。平民として育ったが、実は百済の王子。後の武康太子。
ソンファ（善花）姫： 新羅の王女。好奇心旺盛で、チャンを慕う。後に百済王妃となる。
サテッキル（沙宅己樓）/キム・ドハム（金道含）： 新羅の花郎出身。チャンの親友でありながら、復讐に燃える男。
モンナス（木羅須）： 太学舎の首長で、百済最高の技術者。チャンの師。

作品の魅力

『薯童謠』は、歴史に基づいた壮大なストーリー展開、美しい映像、そして魅力的なキャラクターたちが織りなす愛と野望の物語です。百済の文化や技術に触れることができる点も魅力の一つです。特に、主人公チャンの成長と、ソンファ姫との身分違いの恋は、多くの視聴者の心を捉えました。

このドラマは、単なる歴史ドラマとしてだけでなく、人間の普遍的な感情や、国家の未来を担う人々の葛藤を描いた作品として、多くの人々に感動を与え続けています。

もう一度検索