新羅

新羅国

新羅（しらぎまたはしんら）とは古代朝鮮半島南東部に存在した国家で、紀元前57年に建国され、935年に滅亡しました。当初は「斯蘆」と呼ばれていましたが、503年に「新羅」という国号が正式に導入されました。新羅は高句麗や百済と共存しながら、文化と政治の面で多大な影響をのこし、後に高麗や李氏朝鮮へと続く朝鮮半島の歴史に深く関わる存在となります。

歴史的背景

新羅の歴史は、三国時代と呼ばれる時代に始まり、これは新羅、高句麗、百済の三国が存在した時代を指します。この三国時代は7世紀中盤まで続き、その後新羅が668年から900年までの期間、朝鮮半島を統一した時代（統一新羅時代）を迎えます。しかし統一新羅時代の終焉を迎えるのは後三国時代と呼ばれる時期で、各国が再構成される中で新羅は最終的に高麗に降伏し、滅亡します。

新羅に関する歴史文献として特に有名なのは『三国史記』であり、特に新羅本紀はこの国の建国と歴代の王に焦点を当てています。この文献によると、新羅の建国神話では、国の始まりについて様々な伝説が伝えられ、特に「赫居世（ヒョッコセ）」の誕生が象徴的です。彼は辰韓の六つの村から生まれたとされています。

呼称と文化

新羅の名前は、古代には「しろ」と発音され、いずれは「しらき」として日本でも知られるようになりました。新羅の文化には、仏教の伝来が含まれており、528年には法興王が仏教を公認しました。また、各時代において優れた工芸品や文化が栄え、特に金製品や西方系のガラス器が出土しています。

新羅は政治的な拡張を推進し、高句麗と百済との戦争を通じて領地を拡大しました。551年には高句麗から10の郡を奪い、552年には百済との戦闘を通じて新たに漢城を支配下に置くなど、国力を強めていきます。このように新羅の王権は急速に確立され、他国に対しても影響力を持つようになります。

統一と衰退

668年には中国の唐と共に高句麗を滅ぼし、統一新羅時代を迎えます。この時期には官僚制度が整えられ、国としての体裁を成していきますが、次第に国力は衰え、内乱や飢饉に悩まされることになります。9世紀末には国力が低下し、後百済や後高句麗が勢力を拡大する中で、新羅は統一の道を失っていきます。

935年、新羅は敬順王のもとで滅亡しました。これにより高麗が朝鮮半島を統一することになります。新羅の滅亡は、古代朝鮮の重大な転換期であり、その後の歴史に大きな影響を与えました。

結論

新羅国は朝鮮半島における重要な国であり、その歴史は独特な文化や政治体制、さらには他国との関係を通じて豊かな伝承を築きました。新羅の遺産は、朝鮮半島の文化的アイデンティティに深く根付いており、現在でも多くの人に影響を与え続けています。

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