藁科川

藁科川の概要

藁科川（わらしながわ）は、静岡県静岡市の葵区と駿河区を流れる一級河川であり、安倍川水系の最大の支流です。川の源流は静岡市の七ツ峰西部に位置しており、南東の方向に向かって流れています。この川は、最終的に葵区の南部で安倍川本流と合流します。

地理的特徴

藁科川の流域には、国道362号や静岡県道60号、207号が接しており、川沿いの交通網が発達しています。下流部分には「木枯森」と呼ばれる川中島があり、これは静岡県の指定名勝にも選ばれています。木枯森は清少納言の「枕草子」にも登場する場所で、駿河国の歌枕としても多くの和歌が詠まれています。この島には八幡神社が建立されており、毎年旧暦の8月15日には祭りが催される伝統があります。

しかし、木枯森は侵食の影響を受けやすいため、1990年から1991年にかけて護岸工事が進められ、自然環境保護が図られました。さらに、木枯森から約2km下流には安倍川本流との合流地点にも「船山」と呼ばれる川中島が存在し、こちらも木魂明神（こだまみょうじん）にまつわる伝説と深い関係があります。

流域自治体

藁科川が流れる地域としては、静岡県の静岡市（葵区、駿河区）が含まれます。この地域は、自然環境と都市が共存する独自の特性を持っています。

歴史

藁科川の歴史を振り返ると、明治時代には富沢（とんざわ）周辺でダイナマイトを用いた大規模な治水工事が行われました。この工事によって、流路が変更され、川の安全性や流れが改善されました。

また1979年8月18日に発生した集中豪雨では、静岡市羽島地域の中州が孤立する事態が発生し、この時川遊びをしていた24名の人々が静岡県警察のヘリコプターによって救出されました。この災害は藁科川の流域での防災の重要性を示す出来事となりました。

橋梁情報

藁科川にはいくつかの重要な橋が架けられています。主なものには富沢橋、清沢橋、富厚里橋などがあります。また、藁科川が新東名高速道路の上部を通過する際には藁科川橋が設置されており、一般市道上には藁科橋も構えています。さらに、国道1号および静清バイパスには藁科川橋も存在しています。これらの橋は川の交通を支える重要なインフラです。

支流

藁科川にはいくつかの支流も存在し、地域の水文学的な生態系に寄与しています。これらの支流は、川の水量や生物多様性の維持に重要な役割を果たしています。

藁科川は、自然環境や文化、地域の生活に深く関わる存在です。その美しい風景と豊かな歴史は、多くの人々に愛され続けています。

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