藤井龍心

藤井龍心（ふじい りゅうしん）は、1903年7月21日に和歌山県岩出市で生まれ、1998年4月13日に遷化された、日本の仏教学者、僧侶です。真言宗智山派において重要な役割を果たし、種智院大学教授、真言宗智山派管長、智積院65世能化を歴任しました。専門は密教学であり、その深い知識と研究は、仏教界に多大な貢献をもたらしました。また、真言宗清和院の住職も務め、寺院運営にも尽力しました。

略歴

1903年：和歌山県岩出市に誕生。
1924年：東寺中学（現在の洛南高等学校・附属中学校）を卒業。この時期に仏教への関心を深められたと考えられます。
1928年：智山勧学院（現在の大正大学）を卒業。仏教、特に密教の学問を本格的に修められました。
1931年：真言宗清和院の住職に就任。寺院の維持と運営、そして信徒の指導にあたられました。
1943年：京都専門学校（現在の種智院大学）の教授に就任。後進の育成に力を注ぎ、仏教学の発展に貢献しました。
1948年：種智院大学教授に就任。長年にわたり教鞭を執り、多くの仏教学者を育てられました。
1973年：種智院大学名誉教授の称号を受けられました。その長年の教育への貢献が認められました。
1985年：密教学芸賞を受賞。密教学の研究における卓越した業績が評価されました。
1986年：真言宗智山派管長、智積院65世能化に就任。宗派の最高責任者として、その運営と発展に尽力されました。
1989年：真言宗長者に就任。真言宗全体を代表する立場として、その教えを広められました。
* 1998年：遷化。その生涯を仏教研究と宗門の発展に捧げられました。

藤井龍心は、義父である智積院55世能化の高井観海の影響も受け、密教学の研究に深く携わりました。その研究成果は、数多くの論文として発表され、学術界でも高く評価されています。また、教育者としても多くの学生を指導し、仏教界に貢献する人材を育成しました。

藤井龍心の業績は、仏教学、特に密教学の分野において、非常に大きなものです。その学識の深さと、宗門における指導力は、多くの人々に感銘を与え、その教えは今日にも受け継がれています。真言宗の発展に大きく貢献された、偉大な仏教学者、僧侶であると言えるでしょう。

藤井龍心 - CiNii Articles

もう一度検索