藤原喜一

藤原喜一（楚水）

藤原喜一（ふじわら きいち、号は楚水（そすい））は、1880年12月17日に大分県で生まれ、1990年3月6日に109歳で亡くなった、編集者、東洋美術史・中国書道史研究者です。その長寿と、書道史研究における多大な功績で知られています。

生涯

大分県西国東郡呉崎村（現在の豊後高田市）で生まれた藤原は、呉崎小学校の教師を経て、関西法律学校や明治法律学校で法律と経済学を学びました。1904年には実業之日本社に入社し、編集長、理事を歴任。1928年に退社後は、三省堂出版部の顧問を務めました。

戦後は、東洋美術史、中国書道史の研究に力を注ぎ、駒澤大学、東京学芸大学、横浜国立大学で教鞭を執りました。1961年には、論文『中国書道史』で駒澤大学から博士号（文学）を取得しました。

1912年頃から神奈川県逗子市に居を構え、約80年間を逗子で過ごしました。そして、1990年1月に鶴英寿の死去に伴い、男性長寿日本一となりましたが、その年の3月6日に老衰のため逗子ホーム・せせらぎにて永眠しました。

業績

藤原喜一は、中国書道史研究の分野で数多くの著書を著しました。主な著書として、以下が挙げられます。

『図解書道史（全5巻）』
『註解名蹟碑帖大成（上・下）』
『墨場必携 款識叢例』
『墨場必携 歴代絶句選』
『訓註 墨場必携詠物詩選（全3巻）』

これらの著書は、書道史研究における重要な参考文献として、現在でも広く活用されています。

人物

藤原喜一は、学問に対する情熱と探求心を持ち続け、109歳という長寿を全うしました。その生涯は、多くの人々に感銘を与え、尊敬を集めました。

参考文献

『東方学回想 Ⅲ　学問の思い出〈1〉』東方学会編、刀水書房、2000年（座談会での回想を収録）

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