藤原定房

藤原 定房について

藤原定房（ふじわら の さだふさ）は、平安時代の中期から後期にかけて活躍した貴族であり、中納言藤原兼隆の次男である。彼は寛仁4年（1020年）に生まれ、嘉保2年9月9日（1095年10月9日）に76歳で亡くなった。

経歴と官歴

定房の公的なキャリアは後朱雀天皇の時代に始まる。長元9年（1036年）12月8日、彼は左近衛少将に任命された。これは貴族としての出発点となり、以降の彼の昇進につながる重要な役職であった。

その後、長暦4年（1040年）には右近衛少将の職に就き、五位蔵人を兼任することとなった。しかし、長久2年（1041年）には従四位下に叙せられた際に蔵人の役職を辞しており、この年は彼の官職にとって重要な転機であった。しばらくして、彼は少将も辞し、次第に役職を減らしていくことになる。

後冷泉天皇の時期に入ると、定房は左近衛中将に任命され、再び近衛次将を務めることになった。しかし、天喜3年（1055年）頃に再度左近衛中将を辞し、その後は地方官としての役職を歴任することが多かった。彼は美濃守を二度、備後守も歴任しており、各地での政務に携わった。

彼の官歴は長いものであり、永承3年（1048年）には見左近衛中将、天喜5年（1057年）には美濃守従四位上を務め、承保2年（1075年）には再び美濃守となるなど、官位の変遷は彼の政治的な影響力を示す。これらの役割を通じて、定房はさまざまな政務に貢献し、地方社会にも影響を与えた。

最後の時期

堀河天皇の時代にあたる嘉保2年（1095年）5月30日、定房は出家し、精神的な人生を歩むことを選んだ。そして、同年9月9日、彼はその生涯を閉じた。享年76歳で、平安時代の貴族層の中で一時代を築いた人物である。

家族と系譜

藤原定房の家系は、父親の藤原兼隆と母親の源扶義の娘を通じて形成されていた。彼の妻は藤原資業の娘で、二人には藤原重房と藤原定兼という二人の息子があった。また、定房には生母が不詳の子供たちもおり、その中には定信という男子が含まれている。

まとめ

藤原定房は、その時代の複雑な政治情勢の中でしっかりとした地位を築いていった様子が伺える。出家することで新たな人生の選択をしたことは、当時の藤原氏の中でも特異な存在感を示すものであり、彼の名は今なお歴史に残っている。彼の著しい官歴や家族、政務への貢献は、平安時代の歴史を語る上で欠かせない要素となる。

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