藤原満

藤原満の野球人生とその影響

藤原満（ふじわら みつる）は、1946年9月18日、愛媛県松山市に生まれたプロ野球選手で、内野手、コーチ、監督、解説者として知られています。彼の現役時代の愛称は、プロボクサー・チャチャイ・チオノイにちなんだ「チャイ」であり、現在はホークスのスローガン『熱男』に因んで「熱爺」と呼ばれています。

経歴

プロ入り前

藤原は松山商業高校で三塁手としてプレーし、高校時代には四国大会や甲子園の県予選へも出場しましたが、全国大会には直結する機会には恵まれませんでした。卒業後、近畿大学に進学し、ここでは有藤通世と共に三遊間を形成し、関西六大学野球リーグでの3回の優勝に貢献しました。大学時代の打撃成績は優秀で、打率.262、6本塁打を記録しました。

現役時代

1968年、南海ホークスからドラフト4位で指名されプロ入りします。少年時代から西鉄ファンであった藤原は、南海への入団に戸惑いつつも、兄の勧めがありプロの道を選びました。当初は遊撃手として期待されていましたが、打撃面での低迷が続く中、1971年に頭角を現し、1973年には三塁手の定位置を獲得しました。

その後、1975年からは8年連続でシーズン100安打を記録し、1976年にはリーグ2位の打率.302、50盗塁を達成し、ベストナインとダイヤモンドグラブ賞を受賞しました。特に1979年の日本シリーズでは、全5試合に先発出場し、第1戦では逆転となる適時打を打ちましたが、残りの試合では打率を残せずに終わりましたね。

藤原は1981年のオールスターゲームでMVPに選ばれ、1982年にはこの年限りで突然現役引退することになります。引退の理由は、飛ぶボールの影響で自分らしい打撃スタイルを維持できなくなったことにありました。引退後の姿も多くのファンに愛されており、試合後にはサインを求めるファンに応じる姿が印象的でした。

現役引退後

引退した藤原は、南海ホークス及びダイエーで数々のコーチ経験を積みました。1983年から1995年まで、一軍ヘッドコーチや打撃コーチを歴任し、その時代には多くの若手選手を育成しました。さらに解説者としても活躍し、九州朝日放送や日刊スポーツでの評論活動を行っています。

与えられた背番号には独自の逸話があり、漫画「あぶさん」に登場していた背景から希望した背番号も、実際には専用されたものであることから一時的に使用されることができなかったというエピソードもあります。彼のスタイルや指導法は後の選手にも大きな影響を与えました。

選手としての特徴

藤原はその巧みなミート力で知られ、三振の少ない選手として評価されていました。また、「つちのこバット」と呼ばれる特製の重いバットを愛用し、このバットを使ったスタイルが中長距離打者としての足を生かしたヒッティングに繋がったことも特長の一つです。「つちのこバット」を使うことで、打数を稼ぎ、多くのヒットを生み出す選手として名を馳せました。

藤原満の野球人生は、彼自身の努力と才能、そしてファンとの絆によって築かれたものであり、現在でも多くの人々に愛され続けています。

もう一度検索