藤堂長熙

藤堂長熙について

藤堂長熙（とうどう ながひろ）は、元禄11年（1698年）に誕生し、安永5年5月2日（1776年6月17日）に79歳で亡くなった、名張藤堂家の5代目領主です。彼の幼少期は安次郎または安之進と呼ばれていましたが、後に長護と名乗り、通称は宮内、号は可照軒です。実の父は藤堂修理家第2代の藤堂長定であり、彼は歴史的にも名門の出自を持つ人物でもあります。長熙は藤堂高吉の曾孫であり、丹羽長秀の玄孫にあたる家系です。名張藤堂家の前代、藤堂長源の婿養子として名張の領主となることになります。

幼少期から青年時代

長熙は元禄11年に伊賀上野で生まれました。彼の家族は名張藩の重要な一員であり、その影響力や役割は大きなものでした。享保元年（1716年）には、従兄の藤堂宮内長源が病気で亡くなり、長熙はその家を相続することとなり、名張の領主として1万5000石を治めることになります。彼の若い頃には、家族との深い絆や、領地の運営に関する責任感が強く育まれたことでしょう。

藩との確執

享保19年（1734年）、長熙は先祖の藤堂高吉から受け継いだ藩との関係の困難さに直面しました。高吉は本藩に対して独立を求めようとしましたが、これが長熙の運命を左右する重要な出来事となります。彼は丹羽家や幕府に大名としての独立を働きかけましたが、これが藩主家によって察知されてしまいました。この出来事は享保騒動・名張騒動として知られ、藩内の緊張した関係を深める要因となりました。

家族とは

事件の影響を受けた長熙は、結局家臣の切腹を見届けることになり、やむなく隠居し、嫡男である長美に家督を譲る決断を下しました。それでも長熙は隠居後も大殿として家族の後見を務め、長美や長旧の成長を支えました。彼の存在は名張藤堂家の安定性を保つための支柱となり、その影響力は長い間残り続けました。

晩年と最期

安永5年（1776年）5月2日、長熙はこの世を去りました。享年79歳という長い人生の中で、彼は多くの家族や藩との関係を築き、時には対立し、また和解することを経験しました。彼の葬儀は名張の徳蓮院で行われました。長熙の生涯は、名張藤堂家に名前を刻み、その後も重要な歴史の一部として語り継がれることでしょう。

関連作品

藤堂長熙の人生や家族の背景は、1990年にNHKで放送された「不熟につき… 藤堂家城代家老の日誌より」において、俳優の渋谷天笑によって演じられ、視聴者にその波乱に満ちた生涯を伝えました。

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