藤堂高衡

藤堂高衡の生涯と系譜

藤堂高衡（とうどう たかひら）は、伊勢久居藩の第10代藩主であり、藩の支配において重要な役割を果たしました。彼は1734年2月27日、伊勢の津にて、藤堂高周の長男として誕生しました。高周は藤堂出雲家に属し、藩祖である藤堂高虎の弟、藤堂高清の子孫にあたる第7代当主です。

藩主としての経歴

安永6年（1777年）、彼の養父である第9代藩主・藤堂高興が死去した際、高衡はその後を継ぐ形で家督を相続しました。この時彼はわずか13歳であり、まだ若い藩主としての重責を担うこととなります。その後、安永7年（1778年）には、桜田防火使に任命され、藩の運営に関与することになります。これは蛮行が多かった時代にあって、火災から藩の財産を守る重要な職務でした。

さらに、天明元年（1781年）には、従五位下・佐渡守に叙位され、正式に任官されました。これにより、藩主としての地位を公的に認められ、彼の権限が強化されました。高衡は政務を行いながら、藩の発展を目指して努力したことでしょう。

若くしての死

しかし、彼の藩主としての人生は短く、急な病に襲われました。享年はわずか18歳でした。江戸で病の床に伏し、1779年10月9日にこの世を去ることとなります。若さゆえに未遂のまま終わってしまったその生涯は、周囲の人々に衝撃を与えました。親しい家臣たちは深い悲しみに包まれ、藩内の士族たちもその喪失を惜しんだと言われています。

後継者と系譜

高衡の死後、その家督は実父の藤堂高周の養子だった藤堂高矗が継承しました。高矗は高衡の後を受け、再び藩の運営を任されることとなりました。これにより、藤堂家の長い歴史の中で、血筋や養子関係が継承されていく形となります。

藤堂高衡の生涯は、彼の親族や家臣たちにとって忘れがたい記憶として残り、伊勢久居藩の歴史の中で重要な一ページとして語り継がれています。彼の短い生涯は、知識と経験を積む前に幕を閉じたものでしたが、その存在は今でも時折、懐かしむ声として語り継がれていることでしょう。

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