藤大橋

福島県、只見川に架かる雄大な橋「藤大橋」

福島県河沼郡会津坂下町と柳津町を結ぶ国道49号。その只見川に架かるのが、今回ご紹介する「藤大橋」です。全長219mのトラスドランガー橋は、その美しい姿で人々を魅了し続けています。

藤大橋の概要

藤大橋は、会津坂下町坂本にある「藤わかれ交差点」から、柳津町藤へと続いています。この交差点は、JR只見線会津坂本駅方面へ向かう国道252号旧道との分岐点であり、交通の要衝となっています。さらに東へ進むと、国道252号現道が分岐する磐越自動車道会津坂下インターチェンジがあり、七折峠トンネルへと繋がります。西側は柳津町藤に位置し、福島県道342号藤小椿線への分岐があります。

この橋は、老朽化が進んだ旧藤橋の架け替えとして、1981年度から事業が開始され、1985年に完成しました。総事業費は28億円。当時、支間長175mのトラスドランガー橋としては東洋一の規模を誇り、その功績が認められ昭和60年度全建賞を受賞しています。

藤大橋の構造

藤大橋は、鋼トラスドランガー橋と鋼単純鈑桁橋で構成されています。主要なスペックは以下の通りです。

形式: 鋼トラスドランガー橋および鋼単純鈑桁橋1連
橋格: 1等橋 (TL-20)
橋長: 219.000 m
支間割: 175.000 m + 41.900 m
アーチ支間: 120.000 m
総幅員: 14.200 m
有効幅員: 12.000 m
車道: 9.500 m
歩道: 片側2.5000 m
床版: 鉄筋コンクリート
総鋼重: 1 888.301 t
施工: 石川島播磨重工業・高田機工・日本鋼管・松尾橋梁・三井造船
架設工法: ケーブルエレクション直吊り工法

藤大橋の歴史

藤大橋の歴史は、明治時代にまで遡ります。

1885年: 初代の藤橋として、全長108mの木橋が架けられました。
1925年（昭和2年）10月25日: 吊橋の藤橋が完成しました。
1953年（昭和28年）8月7日: 現在の藤大橋が完成するまで利用されていた藤橋が完成しました。
1972年（昭和47年）: 橋梁の架替事業に着手しました。
1979年（昭和54年）: 架替工事に着手しました。
* 1983年（昭和58年）11月9日: 現在の藤大橋が完成しました。

旧藤橋について

藤大橋架橋以前に利用されていた旧藤橋は、3径間下路式鋼連続ポニートラス橋と3径間RC連続桁橋で構成されていました。橋長は210m、トラス部支間割は43m + 54.8m + 43m、桁部支間割は20.7m + 27m + 20.4mでした。この橋は、1953年（昭和28年）8月7日に高田機工によって竣工されました。

初代の藤橋は木橋でしたが、流出を繰り返したため、1927年にはコンクリート橋脚の吊橋が建設されました。しかし、下流に片門ダムが建設されたことで只見川の水位が上昇し、旧橋が水没する恐れが生じたため、1953年に新たなトラス橋が建設されることになったのです。

まとめ

藤大橋は、会津地方の交通を支える重要な橋であるとともに、土木技術の粋を集めた美しい建造物でもあります。その歴史や構造を知ることで、橋に対する理解が深まり、より一層愛着が湧くことでしょう。会津を訪れる際には、ぜひ藤大橋を渡り、その雄大な姿を間近で感じてみてください。

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