七折峠

七折峠（ななおりとうげ）

福島県河沼郡会津坂下町に位置する七折峠は、標高253mの峠です。別名、七折坂とも呼ばれています。

概要

会津坂下町の西部に位置し、現在は磐越自動車道、国道49号、国道252号、JR只見線が周辺を通っています。会津盆地の西側に位置し、周辺は会津盆地と只見川の間に広がる丘陵地帯となっています。

地理

七折峠は、会津盆地側（東側）が緩やかな坂道であるのに対し、只見川側が急な坂道になっているのが特徴です。この地形は、過去の只見川の侵食によって形成され、峠の坂の下には只見川による河岸段丘が見られます。また、七折峠は阿賀川と只見川の分水界にもなっており、この峠より西側は奥会津と呼ばれています。

沿革

近世

江戸時代、会津地方と越後地方を結ぶ主要道は、七折峠ではなく、北側の鐘撞堂峠を経由する越後街道でした。七折峠付近は、会津沼田街道が通っていました。

近代

明治時代に入り、福島県令の三島通庸によって会津三方道路の整備が進められました。会津と越後を結ぶ道路の計画において、従来の越後街道が通っていた鐘撞堂峠や束松峠の経路が改められ、七折峠や藤峠を経由するルートが採用されました。

現代

昭和40年代初頭：国道49号の一次改良前は、七つのカーブがある道でした（これが七折峠の名前の由来です）。
昭和40年代初頭：国道49号の一次改良により、現在の旧道が完成。七折橋（延長75m）が完成し、カーブは二つに減りました。
1989年：現道である「坂本バイパス」の工事が開始されました。
2002年11月30日：坂本バイパスが開通しました。

現在の国道49号と国道252号は、気多宮集落の南西約1,000mの地点で旧道と分岐します。分岐後、七折峠トンネル（延長1,045m）を通り、旧七折峠の北側を抜けます。トンネルを出るとすぐに坂本橋があり、磐越自動車道と只見川の支流を跨ぎます。坂本橋（延長130m）を過ぎると旧道と合流し、坂本（大沢）集落に至ります。旧道は現在も通行可能です。坂本集落付近で、国道252号は国道49号から分岐し、只見川沿いに南会津郡只見町方面へ、国道49号は西方に進み、藤峠などを経由して耶麻郡西会津町方面へと続いています。

改良によって峠を一直線に貫くルートが作られ、旧々道には7回の九十九折があったとされています。

坂本バイパス

坂本バイパスは、急勾配や急カーブが連続し、冬季の交通安全に支障をきたしていた区間を改良するために整備されました。磐越自動車道会津坂下インターチェンジの取り付け部にあたる西側300mが1992年10月に先行開通し、峠越えを含む残り2.9kmが2002年11月に開通しました。これにより、所要時間が約2分短縮されました。

路線データ

起点：河沼郡会津坂下町気多宮
終点：河沼郡会津坂下町坂本
全長：3.2km
途中交差する路線：福島県道223号塔寺停車場線、磐越自動車道・国道252号只見方面

構造物

七折峠トンネル

竣工：2001年12月
全長：1,045m
車線：片側1車線（上下線合計2車線）

工事時の名称は坂本トンネルでしたが、公募により七折峠トンネルという名称になりました。なお、磐越自動車道には既に七折トンネルが存在しています。

坂本橋

全長：130.0m
幅員：14.9m
竣工：1997年

地下横断歩道

坂本バイパス整備の際に計画され、2002年に開通しました。七折峠西側に設置されており、周辺には集落や農地が広がっています。

旧道

現道の南側を通っており、トンネルはありません。七折橋（1967年完成）などの構造物を利用していました。一次改良は実施されましたが、急勾配や急カーブが残っていたため、坂本バイパスへの改良が計画・実施されました。

関連項目

* 日本の峠一覧

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