藤子・F・不二雄プロ

藤子・F・不二雄プロについて

概要

株式会社藤子・F・不二雄プロは、日本の著名な漫画家、藤本弘が設立した漫画制作会社です。会社は、一般的に「藤子プロ」と略称され、漫画作品の制作や著作権管理を主な業務としています。

藤本弘と安孫子素雄によるコンビ「藤子不二雄」は1966年に「藤子スタジオ」を設立し、漫画制作及び著作権の管理を行っていました。しかし、1988年に藤本弘が独立すると、藤子スタジオは安孫子に引き継がれ、藤本は新たに「有限会社藤子プロ」を立ち上げることとなりました。当初の代表取締役には藤本弘が就任しました。

その後、1989年の初めに、藤本弘は自身のペンネームを「藤子不二雄Ⓕ」から「藤子・F・不二雄」に変更し、同年の秋には会社名も「藤子プロ」から「藤子・F・不二雄プロ」へと変更しました。ただし、著作権表示などでは「藤子プロ」の略称が使われ続けています。

藤本弘が亡くなった後、会社は株式会社化し、代表取締役会長には彼の妻である藤本正子が、社長には元小学館プロダクション取締役の伊藤善章が就任しました。藤本正子は2006年に退任し、2023年には藤本の次女である勝又日子が社長を務めています。

事業内容

藤本弘の生前、特に1988年から1996年にかけては、藤子・F・不二雄作品の著作権管理や漫画制作が主な業務でした。彼が亡くなった後も、藤子・F・不二雄の作品の遺産を引き継ぎ、所属する漫画家による「大長編ドラえもん」の連載執筆を行ってきました。

2003年には岡田康則が独立し、その後、著作権管理が主な業務として強化されました。『ドラえもん』の長編漫画や学習漫画などは、外部の漫画家によって執筆が続けられており、会社はその著作者としてクレジットされています。

さらに、2007年には神奈川県にある生田緑地内に「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」が設立されることを発表し、関連会社である「株式会社藤子ミュージアム」が設立されました。ミュージアムは2011年に開館し、藤子・F・不二雄の作品を展示しています。また、『ドラえもん』をテーマにしたキャラクターグッズの製作管理も担当しています。

藤子スタジオとの関係

2023年現在、藤子・F・不二雄プロと安孫子素雄が設立した「株式会社藤子スタジオ」は資本・業務の面で基本的に独立しており、完璧に別の会社として運営されています。このため、両者はそれぞれ異なる著作権を持っており、共作に関する著作権表記は両社名が併記されることになります。

特に「オバケのQ太郎」に関しては長い間再版がされていませんでしたが、2009年に『藤子・F・不二雄大全集』が刊行され、2015年には新装版が出版されました。

出身者

藤子・F・不二雄プロでは作品制作を支えるために、多くのアシスタント（同社では「スタッフ」と呼ばれます）が雇われており、彼らの中には独立を果たした者も多く存在します。
例えば、萩原伸一（後のむぎわらしんたろう）は、藤子・F・不二雄の存命中の最後のチーフであり、1993年にチーフに就任後、2000年に独立しました。また、岡田康則も藤本弘が亡くなった後に1998年に入社し、2003年に独立しました。

藤子・F・不二雄プロは、その歴史とともに常に漫画文化の発展に寄与し続けています。

もう一度検索