藤家虹二

藤家虹二（ふじか こうじ）とは

藤家虹二（本名: 藤家光嗣）は、1933年に広島県福山市で誕生し、2011年に亡くなった日本のジャズクラリネット奏者です。彼の音楽的キャリアは数十年にわたり、特にスウィング・ジャズの分野で輝かしい業績を残しました。

学生時代からの音楽の道

藤家は1952年に広島県立福山誠之館中学校を卒業し、その後東京藝術大学音楽学部器楽科に進学しました。ここでは首席で入学し、また首席で卒業するという優れた成績を収めました。在学中にはジャズにも触れ、その才能を開花させます。また、クラシック音楽でも秀でた成績を残し、1956年には毎日音楽コンクールで管楽器部門の第1位に輝きました。

ジャズ界への影響

彼は特にベニー・グッドマンに強く影響を受け、スウィング・ジャズの道を歩むことになります。藤家は、平岡精二クインテットや池田操と共にリズムキングといったバンドで活動し、1959年には南部三郎クインテットに参加しました。しかし、南部が突然脱退したことを受け、藤家がバンドのリーダーとして「藤家虹二クインテット」として再スタートを切ります。この経緯から、ジャズ界では「労なくしてバンドを手に入れた」との評価を得ました。

バンド名の由来

当初は「ザ・ポーキーズ」という名前を考えましたが、健康上の理由から変更され、「藤家虹二クインテット」と名付けられました。このバンドはその技術やトリッキーなフレーズで知られ、演奏の質は非常に高いものでした。藤家は才能あるプレイヤーを集め、長年にわたりスウィング・ジャズに専念しました。その経営能力の高さも、ジャズ界では高く評価されていました。

海外での活動と音楽制作

1962年には「ヘルシンキ平和友好祭」に参加するため、渡米前の渡辺貞夫にクインテットのリーダーを任せました。この時参加したメンバーには大野雄二も含まれました。バンド活動にとどまらず、藤家は音楽事務所も立ち上げ、経営者としても成功を収めました。越路吹雪の名曲「ラストダンスは私に」のアレンジや、数々の歌謡曲、ドラマの劇中音楽、校歌などの作曲も手掛けました。

音楽監督としての役割

彼は「日清ちびっこのどじまん」や「ひらけ!ポンキッキ」、さらには映画『未来少年コナン』など多岐にわたる音楽制作に関与し、広範な活動を展開しました。1987年にリリースされたグッドマンへの追悼アルバム『Tribute to 'King of Swing' Benny Goodman』は、後にエール大学のGoodmanライブラリーにも収蔵されるほどの評価を受けました。さらに、CD「エレジー」に収められた「クラリネット・フォー・ドリーミング」はNHKのミニ番組に使用され、「恋わずらい～NUTTY PINE」はインターミッションのBGMとして多くの人に親しまれています。

最期の時

2011年10月24日、藤家虹二は脳幹ヘルニアのため東京都板橋区の病院で亡くなりました。享年78歳という彼の生涯は、音楽界に多大な影響を残し、今でも多くの音楽家たちにとっての道しるべとされています。一度聴いてみる価値のある、彼の誇り高き演奏と存在感は、後世に語り継がれることでしょう。

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