藤島亥治郎

藤島亥治郎について

藤島亥治郎（ふじしま がいじろう）は、1899年5月1日に岩手県盛岡市で生まれ、2002年7月15日に逝去した日本の建築史家です。彼の学問や調査は、建築の歴史において非常に重要な役割を果たしており、息子の藤島幸彦も同様に建築史学者として活躍しています。

学歴と早期キャリア

1920年に第六高等学校を卒業した後、1923年には東京帝国大学の工学部建築学科を修了しました。その年、藤島は朝鮮の京城工業学校に助教授として就任し、1924年には教授に昇進しました。この期間中、朝鮮総督府の技師としても活動し、建築に関する多くの知見を得ました。

1930年代には、東京帝国大学に転職し、助教授から教授へと昇進。そして、1933年から終戦までの間、朝鮮の文化遺産の保存活動に従事しました。特に朝鮮半島の建築に関する調査が盛んで、彼の業績は広く認識されました。

戦後の活動

戦後、藤島は平泉遺跡調査会を設立し、代表として毛越寺や中尊寺の整備を行いました。また、中山道の宿場町についても研究を進めました。これらの活動は、地域の歴史的建築物の保存に大きく寄与しました。その後、1960年に東京大学を退官し名誉教授となり、さらなる学問的貢献を続けました。

受賞歴

彼の業績は多くの賞で認められており、1965年にはBCS建築賞を受賞しました。また、1968年には日本芸術院恩賜賞を受け、建築研究における功績が確固たるものとされました。

1967年には、帝国ホテル旧館（ライト館）の取壊しに反対する「帝国ホテルを守る会」の会長として活動し、歴史的建物の保存に対する情熱を示しました。

著作

藤島は多くの著書を残しています。それには、「朝鮮建築史論」（1930）、『台湾の建築』（1948）、『日本の建築』（1958）、『平泉 : 毛越寺と観自在王院の研究』（1961）、そして『復興四天王寺』（1981）などが含まれます。これらの著作は、彼が持つ専門知識と建築に対する情熱を物語っています。

結論

藤島亥治郎の業績は、建築史研究の発展に寄与しただけでなく、保存活動を通じて文化遺産の維持にも大いに貢献しました。彼の影響は、現代の建築界にも色濃く残っており、その功績は今後も後世に受け継がれることでしょう。

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