藤島昭

藤島昭：日本の司法を支えた検察官、弁護士、そして裁判官

藤島昭（ふじしま あきら）は、1924年1月2日に生まれ、2010年11月21日に86歳で生涯を閉じた日本の法曹界における重要な人物です。検察官、弁護士として活躍し、最終的には最高裁判所の判事まで務めました。彼のキャリアは、戦後の日本の司法制度の発展と密接に結びついています。

検察官としてのキャリア

1950年に検事に任官した藤島は、そのキャリアの初期から重要な事件に関与しました。特に、造船疑獄では捜査から公判まで一貫して担当し、その手腕を発揮しました。その後、東京高検次席検事、東京地検検事正など、検察の中枢を担う役職を歴任。1981年には法務事務次官に就任し、法務行政のトップとしての役割を果たしました。

1983年、ロッキード事件における田中角栄元首相の一審有罪判決後の控訴問題では、当時の秦野章法務大臣とマスコミの間で、その調整役として細やかな配慮を見せました。同年12月には次長検事に昇進し、検察官としてのキャリアの頂点を迎えました。

最高裁判事としての貢献

1985年、藤島は最高裁判所の判事に就任しました。これは、戦後初の大学卒の最高裁判事であり、彼のキャリアにおける重要な転換点となりました。就任の挨拶では、「健全な社会理念を念頭に、社会の声なき声にも耳を傾け、国民の権利と社会正義の実現に尽力したい」と述べ、その公正な姿勢を示しました。最高裁判事としては、数々の重要な判決に関与し、日本の司法の発展に大きく貢献しました。

退官後の活動

1994年に最高裁判事を退官した後、藤島は弁護士として新たなキャリアをスタートさせました。また、生命保険契約者保護機構の理事長を務めるなど、多方面でその知識と経験を活かしました。1996年には、その功績が認められ、勲一等瑞宝章を受章しました。

その他の活動と人物像

藤島は、短歌の創作を趣味としており、その豊かな感性を窺わせます。また、五鬼上堅磐最高裁判事を岳父に持ち、司法の世界においても深い繋がりがありました。

藤島昭の略歴

1947年：高等試験司法科試験合格
1950年：横浜地方検察庁検事
1951年：東京地方検察庁検事
1960年：法務大臣官房人事課付併任
1963年：法務省刑事局参事官兼法務大臣官房人事課付
1964年：法務大臣官房経理部付、法務大臣官房経理部主計課長
1968年：法務省刑事局総務課長
1970年：法務大臣官房人事課長
1973年：富山地方検察庁検事正
1974年：最高検察庁検事
1975年：法務大臣官房長
1977年：最高検察庁検事
1978年：東京高等検察庁次席検事
1979年：東京地方検察庁検事正
1981年：法務事務次官
1983年：次長検事
1985年：最高裁判所判事
1994年：定年退官、弁護士登録（第一東京弁護士会）
1996年：叙勲一等授瑞宝章、株式会社菱和ライフクリエイト顧問
2001年：株式会社菱和ライフクリエイト監査役
* 2010年：死去

まとめ

藤島昭は、検察官、弁護士、そして最高裁判事として、日本の司法制度の発展に大きく貢献した人物です。その公正な姿勢と卓越した能力は、多くの人々に尊敬され、彼の残した功績は、これからも日本の司法史に刻まれるでしょう。

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