藤川矢之輔

藤川矢之輔（ふじかわ やのすけ）は、1951年1月30日に東京都で生まれた歌舞伎役者であり、劇団前進座に所属しています。本名は今村民路（いまむら たみじ）。屋号は大坂屋（おおざかや）です。

彼は、前進座創立メンバーの一人である藤川八蔵を祖父に持ち、叔母に女優のいまむらいづみ、母に日本舞踊家の藤間多寿、妹に前進座の女優今村文美を持つ芸能一家に生まれました。まさに、演劇界のサラブレッドと言えるでしょう。前進座では第三世代のリーダー的存在であり、2011年からは劇団の幹事長、2017年からは理事長を務めています。

彼の初仕事は、生後2ヶ月の時、前進座と北星映画社が共同製作した1951年の映画『どっこい生きてる』への出演でした。その後、1955年の舞台『花ざかり』で初舞台を踏みました。桐朋学園短期大学部芸術科演劇コースを卒業後、しばらくは本名の今村民路名義で活動していました。

1970年代には、中村梅之助と共にテレビ時代劇でも活躍しました。1972年からは、中村梅之助主演のテレビシリーズ『遠山の金さん捕物帳』に、遠山金四郎を陰で支える密偵「飴屋の虎吉」役でレギュラー出演を果たし、お茶の間の人気者になりました。1973年からは、同じく中村梅之助主演の『伝七捕物帳』（日本テレビ版）で、伝七の子分「かんざしの文治」役を4年にわたり演じました。1979年のテレビ朝日版『伝七』でも同役を演じ、その存在感を示しました。

1980年の前進座創立50周年記念公演を機に、現在の芸名である藤川矢之輔に改名しました。その後は、テレビドラマへの出演は減り、舞台での活躍が中心となっています。主な舞台出演作には、河竹黙阿弥の『三人吉三巴白浪』の和尚吉三役や、『五重塔』の川越の源太役などがあります。近年では、老け役も好評で、その卓越した演技力で観客を魅了しています。長年の経験に裏打ちされた、芸達者な俳優として高く評価されています。

主なテレビドラマ出演

おゝい雲（1971年、NHK） - 西条十郎
遠山の金さん捕物帳（1972年 - 1973年、NET） - 虎さん
必殺シリーズ（朝日放送）
必殺仕掛人 第32話 「正義にからまれた仕掛人」（1973年） - 劇中劇の役者
必殺仕事人 第47話「悔し技情念恋火攻め」（1980年） - 嵐花三郎
旅人異三郎 第24話「渡世の義理に罠がしかけられた」（1973年、東京12チャンネル / 三船プロ）
伝七捕物帳（1973年 - 1977年、日本テレビ） - かんざしの文治
花神 (NHK大河ドラマ)（1977年）- 入江九一
若さま侍捕物帳 第14話「参上!! 黒い罠」（1978年、テレビ朝日） - 宍戸右近
伝七捕物帳（1979年、テレビ朝日） - かんざしの文治


外部リンク

* 前進座HPでのプロフィール'>前進座HPでのプロフィール

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