藤本寿彦

藤本寿彦（ふじもと としひこ、1952年- ）は、愛媛県出身の日本近代文学研究者であり、現在は奈良大学国文学科の教授として教鞭を執っています。

学歴と職歴

明治大学大学院日本文学博士課程を1978年に満期退学後、都留文科大学で助教授を務め、その後、奈良大学へと移りました。

研究内容

藤本教授は、現代詩、特に丸山薫や、幸田文といった作家について、独自の視点からの研究・著述活動を行っています。彼の研究は、日本近代文学の主流からはやや外れた、周縁的な領域に焦点を当てることで、新たな文学史の可能性を探求していると言えるでしょう。

著書

藤本教授は、数多くの著書を出版しています。以下に代表的なものをいくつか紹介します。

『水夫の足 : 丸山薫の事など』（七月堂、1993年）
『幸田文「わたし」であることへ 「想ひ出屋」から作家への軌跡をたどる』（翰林書房、2007年）
『周縁としてのモダニズム 日本現代詩の底流』（双文社出版、2009年）
『幸田文「台所育ち」というアイデンティティー』（田畑書店、2017年）

これらの著書からは、藤本教授が単に文学作品を分析するだけでなく、作家の生きた時代や社会背景、そして作家自身の内面に深く迫ろうとする姿勢がうかがえます。

編著

また、藤本教授は、研究者としてだけでなく、編著者としても活躍しています。以下に代表的なものをいくつか紹介します。

『『帆・ランプ・鴎』論叙説』（堅香子社、1983年）
『丸山薫』（日外アソシエーツ、1985年）
『日本文学研究文献要覧 : 現代日本文学 1975〜1984』（日外アソシエーツ、1994年）
『世界遺産学を学ぶ人のために』（世界思想社、2000年）
『コレクション・モダン都市文化 第31巻 「帝都」のガイドブック』（ゆまに書房、2008年）
『會津八一書簡図録 : 上司海雲宛』（奈良大学図書館、2008年）
* 『コレクション・都市モダニズム詩誌 第5巻 新散文詩運動』（ゆまに書房、2011年）

これらの編著からは、藤本教授の幅広い知識と、研究者としての深い洞察力がうかがえます。特に、文献要覧や書簡図録の編纂は、後進の研究者にとって貴重な資料となるでしょう。

藤本教授の研究は、日本近代文学研究に新たな視点をもたらし、多くの研究者に影響を与え続けています。

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