藤本流

藤本流の概要

藤本流（ふじもとりゅう）は、日本の柔術の一派であり、その起源は小豆島に所在する。流派の創始者は藤本源七であり、彼は1761年から1840年までの生涯を過ごした。彼は農業に従事しながら、力強い体力と多才さを持ち、特に武術に熱心に取り組んでいたことでも知られる。藤本流は独自の技術と精神性を持ち、武道の精髄を体現するものとして、今なお多くの愛好者に親しまれている。

歴史的背景

藤本源七は小豆島の池田村に生まれ、若い頃から武術の修行に励んでいた。彼は剣術に関しても神道流を学び、多くの技を自らの柔術に取り入れていった。特に、門人である久留島伊三郎は剣術を愛好し、彼から神道流を学び、流派の技術を体系化していくことに寄与した。藤本流が成立したのは、彼の武道に対する情熱と探求心によるもので、多くの弟子を抱え、数世代にわたってその技術が受け継がれてきた。

源七の教えは阿波国にも広がり、後の世代に受け継がれ、発展を遂げていった。流祖からの系譜をたどると、藤本善四郎、工藤嘉市郎、鳥羽繁太郎など、著名な武道家たちがその名を連ねており、世代を超えた技術の継承がなされている。

技術とその特徴

藤本流の技術は、初巻と目録巻の二つに分かれている。初巻には「二十八手」と呼ばれる技が収められており、以下のような技が含まれている：

• - 将棋倒
• - 麒麟転
• - 引倒
• - 小手車
• - 波分など。

これらの技は、柔術の基本的な部分を成しており、相手に対するさまざまな送り出しや倒法を駆使し、またその中には投技や転技も含まれ、一見シンプルながらも高度な技術が必要とされる。特に「御前捕」や「烈座捕」などは、瞬時の判断力と身体能力を要求される技であり、修行を重ねることで身につけられる。

目録巻にも「二十八手」として多彩な技が列挙されており、撫倒や臂崩、身捨、蹴返、張落、同縺、絹被など、各種の技術が存在する。これもまた、相手の姿勢や動きに応じた対処が求められる技ばかりで、柔術の実践においては非常に重要とされている。

藤本流の系譜

藤本流は、その創始者である藤本源七から多くの弟子へと技術が受け継がれてきた。その系譜には、藤本善四郎をはじめ、工藤嘉市郎、鳥羽繁太郎、松本万平など、数々の名武道家が名を連ねている。特に鳥羽繁太郎は、阿波高志村の人で、伝統を更に広めた人物であり、また、流派の中には貫心流の剣術を学ぶ者も存在し、他流派との交流があったことも伺える。

流派の歴史は、幕末から明治維新にかけても続き、地域に根ざした形で多くの弟子を育てていった。現代においても、その伝統と技術は多くの武道家によって受け継がれ、さらなる発展を遂げることが期待されている。

まとめ

藤本流は、小豆島に起源を持ちながら、歴史ある柔術の伝統を受け継ぎ続けている流派である。剣術との相互作用を含むその技術は、現代においても多くの人々に親しまれ、柔術の魅力を伝え続ける存在となっている。

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