藤森かよこ

藤森かよこ（1953年生まれ）は、日本の英米文学者、政治学者であり、アイン・ランド研究の第一人者として知られています。彼女はリバタリアン、フェミニストとしての側面も持ち、福山市立大学名誉教授の地位にあります。

愛知県名古屋市出身の藤森氏は、南山大学文学部英文科を卒業後、同大学院文学研究科博士課程を満期退学しました。彼女のキャリアは、1986年の岐阜市立女子短期大学講師から始まり、金城学院大学短期大学部講師、助教授を経て、1996年に桃山学院大学助教授、教授に就任しました。2011年には福山市立大学教授となり、2017年に退職、名誉教授となりました。47歳の時に英米文学からアイン・ランド研究へと転向したことが、彼女の研究者としてのキャリアにおける大きな転換点となりました。

藤森氏の著作は多岐にわたり、単著としては、2019年12月に出版された『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』をはじめ、『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』（2020年12月）、『優しいあなたが不幸になりやすいのは世界が悪いのではなく自業自得なのだよ』（2021年4月）、『馬鹿ブス貧乏な私たちが生きる新世界無秩序の愛と性』（2022年12月）、『ニーチェのふんどし いい子ぶりっ子の超偽善社会に備える』（2023年3月）、そして『舌はがしから始める平井メソッド健康革命 身体の捻れを解き、舌が上がれば、生命力も、健康寿命もupする!』（2024年7月）などがあります。これらの著作は、社会に対する独自の視点とメッセージを込めたものであり、幅広い読者に影響を与えています。

また、編著として『クィア批評』（2004年12月）があり、訳書としてはジュディス・フェッタリーの『抵抗する読者 フェミニストが読むアメリカ文学』（鵜殿えりか共訳、1994年5月）、アイン・ランドの「水源」（2004年）、「利己主義という気概 : エゴイズムを積極的に肯定する」（2008年）があります。これらの翻訳書は、彼女の学術的な関心と、それを日本に紹介する貢献を示しています。

夫は藤森清・金城学院大学教授（日本近代文学）であり、彼もまた学者として活躍しています。藤森清（1953年生まれ）は長野県出身で、1976年に南山大学文学部国文科を卒業後、高校教師を経て、1994年に名古屋大学大学院国文学博士課程を満期退学しました。1995年には「近代小説における「語り」序説」で文学博士（名古屋大学）の学位を取得しています。彼の著書には、『語りの近代』（1996年4月）があり、共編著・監修としては、『ジェンダーの日本近代文学』（1998年3月）、『漱石のレシピ 『三四郎』の駅弁』（2003年2月）、『一冊で名作がわかる夏目漱石』（2007年3月）があります。夫婦でそれぞれの専門分野で研究活動を行っていることは、学術界における興味深い事例と言えるでしょう。

藤森かよこ氏の研究は、英米文学、政治学、そしてアイン・ランド研究という、一見すると異なる分野を結びつけ、独自の視点から社会を分析するものです。彼女の著作や翻訳は、読者に対して新たな思考のきっかけを提供し、社会に対する理解を深める一助となっています。

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