藤田達生

藤田達生について

藤田達生（ふじた たつお）は、1958年10月8日に愛媛県新居浜市で生まれた日本の歴史学者です。現在は三重大学の特任教授として、日本史を専門に教えています。また、織豊期研究会の会長も務め、歴史研究におけるリーダーシップを発揮しています。

学歴と職歴

藤田は1981年に愛媛大学教育学部中学校教員養成課程の社会科を卒業し、続いて1987年に神戸大学大学院の博士課程を修了しました。彼の博士論文は「日本中世における地域的権力の研究 - 近江国を事例として」であり、この研究で学術博士の称号を得ました。その後、神戸大学で助手としてキャリアをスタートし、1993年には三重大学教育学部の助教授に就任。その後、2003年には教授となり、2015年からは三重大学大学院地域イノベーション学研究科の教授を兼任している他、歴史都市研究センターの長としても活動しています。
2017年に織豊期研究会の会長に選出され、2018年には三重大学の評議員、2021年には副学長に就任しました。2024年には特任教授として名誉教授に移行予定です。

研究の方向性

藤田の専門分野は、日本近世国家成立史にあり、特に織豊期における歴史的現象に焦点を当てています。彼は、本能寺の変に関する研究を不可避なテーマとして考え、20年以上にわたり四国説、明智光秀と羽柴秀吉の派閥抗争、そして鞆幕府論などの視点から議論を展開してきました。

彼の主張では、「将軍義昭黒幕説」は否定されており、『明智光秀伝：本能寺の変に至る派閥力学』（小学館、2019年）において、読者の誤解を解く形で新たな見解を提示しています。彼は、新史料に基づき、足利義昭の帰洛に向けた動きが織田政権内の矛盾と連動して発生した政変を引き起こしたという立場を取っています。さらに、豊臣平和令を見直し、地域社会論と織豊政権論の観点から議論を展開しています。

受賞歴と著作

藤田は、2013年に第28回愛媛出版文化賞の第1部門賞を受賞するなど、彼の研究は広く認められています。ここでは彼の著書の一部を紹介します:

• - 『日本中・近世移行期の地域構造』（校倉書房, 2000年）
• - 『本能寺の変の群像：中世と近世の相剋』（雄山閣出版, 2001年）
• - 『謎とき本能寺の変』（講談社, 2003年）
• - 『秀吉と海賊大名：海から見た戦国終焉』（中公新書, 2012年）
• - 『天下統一：信長と秀吉が成し遂げた「革命」』（中公新書, 2014年）

彼は単著、多くの共著、監修など、多岐にわたる著作活動を行い、特に織豊期や戦国時代に焦点を当てた研究が中心となっています。藤田の研究は、日本の歴史理解に深みを加え、他の歴史学者や学生にとっても重要な参考となっています。彼の業績は今後の日本史研究においても引き続き影響を与えることでしょう。

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