藤野清

藤野 清（ふじの きよし）

藤野清は、1931年に山口県宇部市で生まれた著名な実業家・技術コンサルタントです。元宇部興産（現在のUBE）の専務取締役として知られる彼は、そのキャリアの中で数多くの重要な役割を果たしてきました。

幼少期と教育

藤野は、1944年の終戦間近に広島県の広島陸軍幼年学校に入校しましたが、翌年には阿南惟幾陸軍大臣の命により広島から疎開しました。この避難は、1945年6月に広島市に投下された原子爆弾による被爆から彼を救いました。藤野はのちにこの出来事を、敗戦後の日本の復興に力を尽くすようにという“遺言”と受け止めています。

終戦後、藤野は九州大学の工学部機械工学科に進学し、1953年に卒業します。大学での学びは彼の技術的な基盤を作り、同年宇部興産に入社しました。

宇部興産でのキャリア

藤野のキャリアは、宇部興産での仕事によって大きく展開します。彼は入社後、機械部門に配属され、短期間のうちに重要な役職を歴任しました。まずは油圧プレス設計係長、次に設計部長として責任ある業務を遂行しました。

1973年には取締役に就任し、さらに専務取締役に昇進します。この間、興産大橋上部工工事を請け負った宇部興産宇部鉄工所・富士車輌共同企業体の代表責任者として、その名前を広めました。彼のリーダーシップの下、宇部興産は着実な成長を遂げました。

新たな挑戦と役割の変遷

1987年、藤野は宇部興産の専務取締役を退任し、子会社のアルミホイール製造企業であるユーモールドの社長に就任しました。この企業は後に宇部興産本体に吸収合併されます。1989年には同社の社長職を退任し会長に就任、1991年には再び社長として現場に復帰しました。

その後1994年には社長を退任し、相談役に就任しました。長い経験をもとにした彼のアドバイスは、企業にとって貴重な資産となりました。

現在の活動

1998年に宇部興産の相談役を退任した後、藤野は宇部市に技術コンサルタントの会社を設立しました。有限会社藤野技術コンサルタントの代表取締役として、技術的な助言を提供し続けています。彼の豊富な経験と専門知識は、多くの企業やプロジェクトにとって欠かせない存在となっています。

藤野清は、技術者およびビジネスマンとして、忍耐と創意工夫をもって日本の復興と発展に寄与した影響力ある人物であり、彼の活動は今もなお続いています。

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