藤間勘祖 (3世)

三世藤間勘祖について

三世藤間勘祖（ふじま かんそ）は、1945年12月9日に東京都に生まれた日本舞踊界の重要な人物です。彼女は六世藤間勘十郎と藤間紫の長女であり、舞踊の道を歩む背景には、先代からの影響が色濃く残っています。本名は藤間高子（こうこ）。彼女の家族には、長男にあたる八世藤間勘十郎もおり、舞踊の伝統が受け継がれています。

経歴の概要

藤間勘祖は1948年9月に初舞台を踏みします。長唄『五條坂景清』の“禿”として登場し、3歳にしてその才能を披露しました。1966年には「藤間会」における長唄『鏡獅子』を通じ、本格的に日本舞踊に取り組むことを決意しました。翌年、彼女は自身の会を立ち上げ、第一回「高子の会」を主宰しました。

1973年には『舞鶴五條橋』にて、歌舞伎作品の初振付を担当し、本格的な振付師としての道を開きました。その後1981年12月には、藤間康香（こうこ）に改名し、さらなるキャリアを積み重ねました。1983年に初のリサイタルを成功裏に終え、その名声は高まり続けます。

1990年には、歌舞伎座で行われた舞踊会で藤間流宗家の七世を襲名し、父の後を継ぐ形で舞踊の指導を行いました。1990年12月に六世藤間勘十郎が亡くなった後も、藤間勘祖は伝統を守り続け、多くの後進たちに影響を与えました。2002年には息子の康詞に藤間勘十郎の名を譲り、三世藤間勘祖としての役割を全うしました。

主な受賞歴

藤間勘祖の舞踊家としての影響力を示す受賞歴は数多く、1969年には「藤間会」にて『京鹿子娘道成寺』で文部大臣新人賞を受賞されています。1996年には日本芸術院賞を獲得し、2014年には伝統文化ポーラ賞の優秀賞を受賞しました。さらに、2019年には旭日中綬章を授与され、その功績が認められました。

自伝的エッセイ

藤間勘祖の生涯や舞踊家としての思索を綴った自伝的エッセイ『そして始まり』は、1987年にあすか書房より出版されています。この書籍は、彼女の舞踊に対する情熱や、個人的な経験を深く掘り下げた内容となっており、多くの読者に影響を与えました。

私生活の一端

彼女の私生活では、初めは大蔵流狂言師の山本東次郎と結婚していました。しかし、能楽師・梅若六郎との交際が始まり、最終的に山本とは離婚し、息子の藤間勘十郎を授かります。このように、波乱万丈な私生活もまた、彼女の舞踊家としての表現に影響を与えていると言えるでしょう。

藤間勘祖は日本舞踊界での重要な存在であり、彼女の功績は今もなお後世に語り継がれています。

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