蘆野氏

蘆野氏について

蘆野氏（あしのし）は、歴史的な日本の武士や大名として知られる一族です。この氏族は、その起源を噂として伝えられる中世の記録や文献から探求することができます。

出自の探求

蘆野氏は、「芦野地頭」として『吾妻鏡』に登場し、その血筋は古くから続いていると考えられています。また、『継志集』には、蘆野四郎大夫が中興の那須資忠の子を養子にしたことが記されています。このことから、那須氏の8代当主である那須資忠の四男、資方が養子となり、蘆野三郎と名乗ることで蘆野氏が成立したとされています。これにより、蘆野氏は那須氏の一部としての地位を確立しました。

戦国時代の蘆野氏

16世紀中頃、蘆野氏は上那須衆として知られる戦士たちとともに独自の立ち位置を持っていました。その際、彼らは常陸国の佐竹家と同盟し、那須家に対して敵対姿勢を見せました。戦争の中で数回の衝突がありましたが、最終的には永禄11年（1568年）に那須家と和睦し、その後は那須家の一員として資胤や資晴に仕官しました。

当主の盛泰は、天正18年（1590年）に小田原征伐の際に豊臣秀吉に謁見しました。その後、奥州仕置では、秀吉の命により茶亭を設けて諸将を慰労し、腰刀や黄金を与えられました。秀吉が形見分けを行なった際には、貴重な武器を賜ることもありました。

また、慶長5年（1600年）には、関ヶ原の戦いで東軍に参加し、上那須衆と連携しました。この戦いでの功績により、後に300石の加増を受け、さらに慶長7年（1602年）には1,600石という大幅な知行の増加が認められ、蘆野家は2,700石を領することとなりました。

江戸時代以降の展開

江戸時代に入ると、蘆野氏は交代寄合旗本の一員として3,016石を治めていました。慶長19年（1615年）には、政泰の跡を継いだ資泰が大坂夏の陣で本多正信の部隊に加わり、34の敵首級を挙げる名誉を持ちました。

その後の歴史では、慶安2年（1649年）には資俊が日光東照宮の造営に参加し、嘉永6年（1853年）には資典がペリー来航に対応して江戸屋敷に詰める役割を果たしました。元治元年（1864年）には天狗党が芦野宿を通過し、慶應4年（1868年）には新政府側に転向し、軍夫役を果たしました。そして明治8年（1875年）、資愛が家を離れ、その後資貞が家督を継ぐこととなりました。

系譜

蘆野氏は、長い歴史の中で数々の世代を経て現代に至るまで続いている家系であり、その出自や戦歴は日本の武士文化を知る上で貴重な資料とされています。

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