蘭越倶知安道路

蘭越倶知安道路について

蘭越倶知安道路は、北海道虻田郡ニセコ町から同郡倶知安町に至る、北海道横断自動車道に並行する一般国道自動車専用道路（国道5号）です。高速道路ナンバリングでは「E5A」が割り振られていますが、現在は全線で未供用となっています。

概要

この道路は、高規格道路ネットワークの一部として、地域間の連携強化や観光振興、緊急時の輸送路確保など、多岐にわたる役割を担うことが期待されています。特に、国際的な観光地であるニセコへのアクセス向上は、地域経済の活性化に大きく貢献すると見込まれています。

路線データ

路線名：一般国道5号（北海道横断自動車道）蘭越倶知安道路（ニセコ〜倶知安）
起点：北海道虻田郡ニセコ町元町
終点：北海道虻田郡倶知安町字旭（＜仮称＞倶知安IC）
延長：11.7 km
構造規格：第1種第3級
設計速度：80 km/h
道路幅員：13.5 m（土工部）、12.0 m（長大橋部）
車線数：完成2車線
車線幅員：3.5 m

歴史

北海道横断自動車道の黒松内 - 余市間において、蘭越 - 俱知安間は当初、現道活用の方針でした。しかし、2021年より計画段階評価が実施され、2023年12月には全線別線整備する案に決定しました。ニセコ - 倶知安間については、2024年3月に新規事業採択時評価が行われ、同年4月1日付けで新規事業化が決定しました。

この事業化により、黒松内から小樽までの高規格道路ネットワーク形成に向け、大きく前進しました。

ルート選定の検討

ルート選定にあたっては、以下の2案が検討されました。

1. 全線を別線整備し、現道の課題箇所を回避しつつ市街地へのアクセスを考慮したルート案
2. 蘭越市街地 - 倶知安市街地において、別線整備と現道改良を組み合わせ、課題を極力解消するルート案

検討の結果、沿線の意向、ニセコへの速達性、高次医療施設へのアクセス向上、災害時の信頼性の高い道路ネットワーク確保といった目的から、前案が採用されました。

期待される効果

この道路整備により、以下のような効果が期待されています。

国際規格コンテナの通行支障区間である稲穂峠の迂回路としての機能
沿線から小樽市・札幌市の救急指定病院への搬送時間短縮
有珠山などの火山災害や地震などの有事の際の道央自動車道代替ルートとしての役割
新千歳空港とニセコを結ぶルートの確保
豪雪地域における安定的な交通手段の確保

特に、新千歳空港とニセコ間の所要時間が約30分短縮され、2時間18分となる見込みです。

今後の展望

倶知安 - ニセコ町間（延長11.7 km）は、2024年度に新規事業化されました。今後は、調査設計や用地買収などを経て着工を目指します。

一方、ニセコ町と蘭越町間については、計画段階評価は完了していますが、事業化は未定です。黒松内 - 小樽間の「山線ルート」において、未着手区間は蘭越 - 黒松内間の約20 kmのみとなっています。

年表

* 2024年度：（仮称）倶知安IC - （仮称）ニセコIC間（延長11.7 km）事業化

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