虎杖浜

虎杖浜（こじょうはま）

虎杖浜は、北海道白老町にある風光明媚な地名です。温泉地として知られる一方、タラコの産地としてもその名を知られています。

地名の由来

虎杖浜の地名は、アイヌ語の「クッタルシ（kuttar-us-i）」、つまり「イタドリ（虎杖）が群生する場所」に由来するとされています。この「クッタルシ」が転訛して「クッタラシ」と呼ばれるようになり、鉄道開通時に和訳され「虎杖浜」という地名が誕生しました。

近隣にある倶多楽湖（くったらこ）も、元々は「クッタルシにある湖」を意味する「クッタルシト」と呼ばれていました。

タラコの加工

虎杖浜は、国産タラコの産地として有名です。10月から翌年2月にかけて、虎杖浜の前浜で漁獲されるスケトウダラの卵巣を塩蔵加工したタラコは、その品質の高さで知られています。

一般的に流通しているタラコは、海外で漁獲・採卵されたスケトウダラの卵を冷凍し、日本国内で解凍・塩蔵加工するものが主流です。しかし、虎杖浜産のタラコは、冷凍・解凍のプロセスを経ないため、タラコ本来の旨味が生きています。

この品質の高さから、「虎杖浜たらこ」は地域ブランドとして地域団体商標登録されており、高級品として扱われています。もっとも、虎杖浜産のタラコとして販売されているものの中にも、一部輸入品を使用している業者も存在します。

アヨロ鼻

虎杖浜の西端に位置するアヨロ鼻は、高台からの眺望が美しい場所です。かつては軍事上の要地としても機能していました。

1941年には、防禦海面令に基づき津軽海峡方面防禦海面が指定された際、アヨロ鼻が基準点の一つとなりました。これは、アヨロ鼻が重要な戦略拠点と見なされていたことを示しています。

1976年から2016年まで、アヨロ鼻には海上保安庁が管理するアヨロ鼻灯台が設置されていました。この灯台は、高さ13mのコンクリート製で、紅白に塗装された外観が特徴的でした。

しかし、GPSなどの航海計器の普及により灯台の必要性が低下したこと、また、近隣のチキウ岬灯台と苫小牧灯台の光達範囲と重複していたことから、2016年に廃止されました。

灯台廃止後、地域では灯台と周辺地域の利活用を目指す動きが活発化。2018年には白老町が灯台の底地を買収し、虎杖浜竹浦観光連合会が利用計画を策定するなど、新たな観光資源としての活用が期待されています。

レース鳩の放鳩地

虎杖浜は、浜が南に開けている地形から、北海道と本州間で行われるレース鳩競技の放鳩地（スタート地点）として選ばれることがあります。

交通

虎杖浜へのアクセスは、以下の通りです。

国道36号
JR北海道室蘭本線 虎杖浜駅

虎杖浜は、豊かな自然と温泉、そして美味しいタラコが楽しめる魅力的な地域です。ぜひ一度訪れてみてください。

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