虐待の証明

『虐待の証明』（原題：ミス・ペク）は、2018年に製作された韓国映画です。日本では2020年1月3日に公開されましたが、それに先駆けて2018年の東京国際映画祭で『ミス・ペク』のタイトルで上映されています。

この映画は、韓国で実際に起きた児童虐待事件に着想を得ており、親から虐待を受けている少女と、かつて自身も虐待を受けていた女性の交流を通して、虐待の連鎖という社会問題を浮き彫りにしています。単なる告発に留まらず、登場人物たちの心の葛藤や、それぞれの抱える闇を丁寧に描き出すことで、観る者に深い感動と問題提起を促します。

主演のハン・ジミンは、ペク・サンア役を見事に演じきり、その演技力が高く評価され、第38回韓国映画評論家協会賞主演女優賞と第39回青龍映画賞主演女優賞を受賞しました。

あらすじ

主人公のペク・サンアは、幼少期に母親から虐待を受け、捨てられた過去を持ちます。施設で育った彼女は、その後、強姦事件に巻き込まれますが、犯人の父親が権力者であったために、不当にも彼女自身が刑に服すことになってしまいます。出所後も荒んだ生活を送るサンアは、ある日、体中に痣のある虐待を受けている少女、キム・ジウンと出会います。ジウンとの出会いは、サンアが過去に目を背け、心の奥底に押し込めていた虐待の記憶を呼び覚まします。そして、ジウンを救いたいという気持ちが芽生える一方で、ジウンは家族から追われる身であり、困難な状況に直面します。

キャスト

ペク・サンア - ハン・ジミン（名塚佳織）
キム・ジウン - キム・シア（藤野彩水）
チャン・ソプ - イ・ヒジュン（祐仙勇）
チュ・ミギョン - クォン・ソヒョン（和優希）
キム・イルゴン - ペク・スジャン（赤坂柾之）

スタッフ

監督・脚本 - イ・ジウォン
製作 - カン・ガミ
音楽 - イ・ウンジュ、モグ
撮影 - カン・グッキョン

『虐待の証明』は、児童虐待という重いテーマを扱いながらも、希望の光を見出すことができる作品です。登場人物たちの繊細な感情表現や、社会の暗部をリアルに描いた描写は、観る者の心に深く突き刺さります。ぜひ、多くの方に見ていただきたい作品です。

外部リンク

Mi-sseu-baek - IMDb（英語）

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