虹とスニーカーの頃

「虹とスニーカーの頃」

「虹とスニーカーの頃」は、1979年7月5日にリリースされたチューリップの第16シングルです。この曲は累計50万枚以上を売り上げ、チューリップにとって久しぶりのヒット作となりました。それ以前にも「銀の指環」や「サボテンの花」といったヒット曲がありましたが、オリコンTOP10に入ったのは「心の旅」以来のことでした。

この楽曲は、1979年の4月ごろに書かれました。当時、チューリップはしばらくヒットから遠ざかっており、「ヒットを意識して制作された楽曲」としても注目されます。同時期に財津和夫のソロシングル「Wake Up」も流行していたため、この曲がリリースされた背景には業界全体の流れも影響していたのかもしれません。

「虹とスニーカーの頃」は元々「わがまま」というタイトルで、アルバム『Someday Somewhere』に収録される予定でしたが、急遽シングルとして放出されることになりました。そのため歌詞や曲の構成が大幅にアレンジされ、最終的にはタイトルを改めてシングルとして発表されました。未発表音源を集めた企画アルバム『TULIP Anthology1〜Rare Tracks〜』には、没案となった「わがまま」も「虹とスニーカーの頃（メロ違いバージョン）」として収録されています。

楽曲の魅力の一部は、財津和夫が手がけたサビの押韻にあります。彼は特に母音の「ア」を多用し、多くのリスナーの心に留まるような印象を持たせました。オリジナルの音源では、上田雅利によるドラムソロの直後にサビが入る構成になっていますが、ライブでは安部俊幸のギターソロが加えられ、後に再結成時のレコーディングでもこのアレンジが取り入れられました。

「虹とスニーカーの頃」がリリースされた後、吉田彰と上田雅利が脱退し、チューリップの第1期と呼ばれる約8年間の時代は幕を閉じます。これはバンドにとって新たな時代の始まりとなりました。

このシングルの収録曲は、全曲とも作詞・作曲が財津和夫により手がけられており、編曲もチューリップ自らが行っています。収録曲には「虹とスニーカーの頃」と「アフリカは午後0時」が含まれており、いずれも財津の才能を感じさせる楽曲となっています。

「虹とスニーカーの頃」は、受け手にとって思い出深い曲であるだけでなく、チューリップの音楽的な転換点としても評価されており、今なお多くの人々に愛されています。

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