蛭川立

蛭川立（ひるかわ たつ、1967年1月3日生まれ）は、日本の著名な人類学者であり、明治大学情報コミュニケーション学部の准教授として教鞭を執っています。彼の専門分野は、コスモロジーの人類学と意識研究という、一見すると交わりのないように見える領域の境界に位置しています。

学歴と研究活動

蛭川氏は、1991年に京都大学農学部農林生物学科を卒業後、1993年に京都大学大学院理学研究科動物学専攻修士課程を修了しました。その後、1996年に東京大学大学院理学系研究科人類学専攻博士課程を単位取得退学し、日本学術振興会特別研究員としてお茶の水女子大学生活科学部人間生活学科発達臨床心理学研究室に在籍しました。この時期を中心に、東南アジア、中南米など世界各地で心理人類学的な調査研究を行っています。

職歴

研究員としての活動後、2001年に江戸川大学社会学部人間社会学科助教授に就任。2004年からは明治大学情報コミュニケーション学部准教授として、現在に至るまで教育・研究活動に従事しています。また、ベゼッハ・ヂ・メネゼス大学付属ブラジル心理生物物理学研究所、花園大学国際禅学研究所、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジ心理学科、クイーンズランド大学人文・社会科学部・歴史哲学科・科学哲学研究室、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所薬物依存研究部など、国内外の様々な研究機関で客員研究員を歴任しています。

著書と映像作品

蛭川氏は、精力的に著作活動も行っており、単著として『性・死・快楽の起源――進化心理学からみた〈私〉』(1999)、『彼岸の時間――〈意識〉の人類学』(2002, 2009)、『精神の星座――内宇宙飛行士の迷走録』(2011)などを発表しています。これらの著書では、進化心理学、人類学、意識研究といった多様な視点から、人間の存在や意識の深淵に迫る考察が展開されています。また、共著として『心とは何か――心理学と諸科学の対話』(2001)、『新しい茶道のすすめ』(2009)、『映像にやどる宗教、宗教をうつす映像』(2011)などにも寄稿しています。

さらに、映像作品にも取り組んでおり、塩月亮子氏との共作で『意識変容の人類学』(1999)、『死生観の人類学』(2001)を制作しています。

研究室とブログ

蛭川氏の研究室は、明治大学情報コミュニケーション学部に設置されており、ウェブサイトやブログを通じて、研究活動や関連情報を発信しています。

蛭川立氏は、人類学、心理学、哲学といった分野を横断的に探求し、人間の意識や文化、社会について深く考察することで、学術界に貢献している人物と言えるでしょう。

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