蝶番

蝶番（ちょうつがい）とは

蝶番は、開き戸や開き蓋といった建具を支え、それらをスムーズに開閉できるようにする重要な部品です。建築業界や家具業界では「丁番」とも呼ばれ、特に「ちょうばん」という読み方が一般的です。英語では「hinge」と表記され、国内でも「ヒンジ」という名称が用いられることがあります。

語源と歴史

蝶番の名称は「蝶の番（つがい）」に由来し、その形状が蝶に似ていることから名付けられました。ここでの「番（つがい）」は、組み合わせやつながりを示す言葉であり、多様な形で組み合わさる部品を指します。この言葉は古くから使用されており、室町時代中期の辞書『文明本節用集』に見ることができます。このように、蝶番は歴史的にも長い間、日本語として使用されてきたことが分かります。

蝶番の種類

蝶番にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる用途や特性を持っています。

裏蝶番

裏蝶番は、扉を閉じた状態で蝶番が外から見えないように設置されます。この仕組みは、収納スペースや制御盤など、見た目を重視する場合に適しています。

隠し蝶番

隠し蝶番も、見た目を考慮し、扉が閉じた際に蝶番が隠れるように設計されています。通常、高級なドアに採用されることが多いです。

グレビティヒンジ

この種類の蝶番は、扉を開けると自重によって自然に閉まる仕組みを持ち、使用者にとって便利です。

自由蝶番

自由蝶番は、手前や奥の両方向に開くことができ、ばねの力で元の位置に戻る特性があります。この機能が活かされ、特に厨房の出入り口でよく利用されます。

ドロップ丁番

ドロップ丁番は、水平に回転する扉に取り付けられるもので、フラップなどの家具に用いられます。

なつめ蝶番

フランス蝶番とも呼ばれるこの蝶番は装飾的なデザインが特徴です。

抜き蝶番

この蝶番は、軸部分が分割されており、扉を容易に取り外すことができます。一般的な形状のものもあります。

旗蝶番（旗丁番）

これは上下で重なりながら回転する機構を持ち、簡単に取り外すことが可能です。玄関ドアなどに多く使用されています。

ピアノ丁番

特に狭いが長い形状を有し、ピアノの蓋などに用いられます。

平蝶番

シンプルで一般的に使用される型式の蝶番です。

フランス丁番

抜き差しが可能で、柔軟性に富んだ設計です。

結論

蝶番は日常生活に欠かせない部品であり、その種類や用途に応じて、さまざまな設計が存在します。これにより、私たちの生活空間が便利に機能することを支えています。

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