行け! 牛若小太郎

行け! 牛若小太郎

『行け! 牛若小太郎』は1974年11月12日から1975年4月25日まで、日本テレビ系の子供向け番組『おはよう!こどもショー』内で放送された特撮ドラマです。全156話が放送され、そのストーリーは一話完結型で進行します。このシリーズは、東宝が企画・制作したもので、特に子供たちに親しまれた作品となっています。

舞台設定

このドラマの舞台は現代であり、物語は光の中から生まれた太陽の子・牛若小太郎が主人公です。彼は仲間の怪力妖怪入道や、ずる賢いキツネの妖怪の子供うらぎらと共に、妖怪軍団「闇一族」の女頭領であるコーンジョを率いる敵と戦うため、日本各地を旅します。この旅の中で、毎回新たな妖怪と対峙し、彼らを退治していく様子が描かれています。

この作品は『レッドマン』や『行け! ゴッドマン』、『行け! グリーンマン』といった前シリーズまでの怪獣物から妖怪物へとテーマが変化した最終シリーズとしての位置づけです。これまでの作品が週1話という形式であったのに対して、1日1話完結形式に変更され、毎回異なるゲスト妖怪が登場しますが、従来の人間キャラクターはほとんどの話において登場しません。

異様なムードの演出

物語の舞台は時代劇をイメージさせる村や街道が設定されていますが、全体として現代的な背景が使用されており、時には遊園地や新宿といった現実の地名が登場することもあります。このため、時代劇風の演出の中に現代的な要素が混在し、独特の異様な雰囲気が漂っています。例えば、時代劇を想起させるシーンに電柱が写り込むなど、視聴者に強い印象を与えます。

主要キャラクター

主役の牛若小太郎は、光のエネルギーを源に持ち、万能の武器ナギナタと脇差を使用します。彼の必殺技は様々で、敵を惑わせた後に斬りつける「八相斬り」や、長刀と小刀を組み合わせた「光十字剣」、そして敵を次々と倒す「千尋落下の舞」がありますが、光の無いところでは力が弱まるという弱点を持っています。

その仲間として、怪力を持つ入道や、うらぎらというキツネの妖怪の子供がいます。入道は大食漢でお酒が大好きなキャラクターです。一方、うらぎらは金銭に対して非常に執着し、仲間を裏切ることもあるというずる賢い設定になっています。敵キャラのコーンジョは白狐の妖怪で、小太郎の戦いによって敗れ、復讐のために他の妖怪を使って小太郎に挑む役割を担っています。

放送と映像化

2014年時点で現存するエピソードは126話分とされていますが、2018年には講談社の特典映像として、過去にカットされたエピソードが収録されました。また、2016年よりDVDも発売され、全話収録版として販売されています。このように、時を経ても多くのファンに愛され続ける作品となっています。

結論

『行け! 牛若小太郎』は、視聴者に楽しさを提供するだけでなく、妖怪というテーマが子供たちの想像力をかき立てる要素となり、特撮ドラマとしても高い評価を受けました。子供向け番組の中で特撮の魅力を存分に引き出した名作と言えるでしょう。

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