行政庁 (バチカン)

行政庁に関する詳細

行政庁（ぎょうせいちょう）は、バチカン市国において最高の行政機関として機能しています。この機関は、教皇の名によってその権限を行使し、さまざまな行政業務を管理します。全ての行政庁長官は枢機卿であり、教会の重要な役割を果たしています。

行政庁の歴史

行政庁長官は、1929年に締結されたラテラノ条約に基づいて設立された知事職を前身としています。この際、最初の知事であったカミッロ・セラフィーニ侯爵は、1952年に亡くなるまでその地位を保持しました。その後、1939年にはすでに教皇の名のもとにバチカン市国委員会が設立されており、基本法を変更することなく、教皇の命に従って行政府の統括を担当していました。このため、知事職は1990年まで空席の状態が続きました。

1990年に知事職が廃止されると、後任者は市国委員会の委員長が担い、事務総長の補佐を受けながら行政権を行使することとなりました。長官は、サン・ピエトロ大聖堂の整備や文化財の保全なども監督し、芸術保護常設委員会を通じてこの業務を進めています。

附属機関

バチカン市国には、行政庁の下で機能するいくつかの附属機関があります。これらの機関は、専門的な分野で市国の運営を支える重要な役割を担っています。

治安・国民保護総局

この機関では治安の管理や国民の情報の調整を行い、主に憲兵隊の司令官が責任を持っています。

法務局

文学的財産や産業財産の登録を管理し、登録された公的文書の確認を実施します。法務局は、バチカン市国における法的文書の正当性を確保する役割を果たしています。

人事局

市国における職員の管理に関する支援を行い、求められる意見を表明し、関連する提案を作成します。また、外部労働者の使用の必要性や適切性についても検証を行います。

保健衛生局

市国民の健康管理を含む公衆衛生や衛生の保護を担う機関です。バチカン薬局はこの局の管理下で医薬品を供給しています。

主要な役職

行政庁長官は、1990年以降、市国委員会の委員長が兼任することとなりました。以下は、行政事務局長の歴代の任命者です。

• - ブルーノ・ベルターニャ（1990年-1994年）
• - ジャンニ・ダンジ（1994年-2005年）
• - レナート・ボッカルド（2005年-2009年）
• - カルロ・マリア・ビガノ（2009年-2011年）
• - ジュゼッペ・シャッカ（2011年-2013年）
• - フェルナンド・ベリゲス・アルザガ（2013年-2021年）
• - ラファエラ・ペトリーニ（2021年-現職）

このように、バチカン市国の行政庁は教会の中心的な組織であり、教皇の名の下、さまざまな機能を果たしつつ運営されています。

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